管理人がどうやってオンライン小説サイトを作っていったのか、その実体験によるノウハウや悪戦苦闘の日々をつづるWEB小説制作日記ブログです。
ちょっと変わった独自システム付きのネット小説サイトを運営しています。
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小説を書き始める前の“準備”として、創作ノート(ネタ帳、アイディアノート)を作っている方は多いと思います。
実際自分も作っていますが、今回はそんな創作ノートの作り方をまとめていきたいと思います。
あくまで独自の創作ノート制作法ですので、人によっては「他の方法の方がやりやすい」ということがあるかと思います。
参考程度にご覧ください。
実際自分も作っていますが、今回はそんな創作ノートの作り方をまとめていきたいと思います。
あくまで独自の創作ノート制作法ですので、人によっては「他の方法の方がやりやすい」ということがあるかと思います。
参考程度にご覧ください。
- 創作ノートにもいろいろある
- 自分の場合、創作ノートを何種類かに分けて書いています。
具体的に言うと「資料ノート」「設定ノート」「落書きノート」「小説断片ノート」です。
(それぞれの詳しい内容は下に書いておきます。)
実際には、全部ノートを分けて書いているわけでもなく、時々ごちゃ混ぜになっていたりしますが…。
あと、自分の場合、学校の授業で余ったノートのページを創作ノートとして使っている場合が多いです。
なので「前から後ろに」ではなく、「一番後ろのページから前へ」書いていくことも多いです。
それと、サイト制作やブログ運営を始めてからは、一部の創作ノートをデジタル化してネット上にUPしています。
(他人様に見せても大丈夫なものだけです。1つの小説のアイディアが複数冊の創作ノートにまたがっている場合も多々あるため、デジタル化してまとめておくと、情報整理に良いですし、どこからでもアクセスできて便利なのです。)
- 資料ノートの作り方
- 「資料ノート」は、特定の物語が先にあるわけではなく、なんとなく「これ、後で何かの小説に使えそうだな」と思った知識を書き溜めているノートです。
ふとしたきっかけで知った神話や伝説、雑学や言葉など…。
後で「ネタ」として使えそうなものを片っ端からメモしていくノートです。
時には図書館で借りてきた本のページをコピーして貼り付けていることもあります(妖怪図鑑の気になる妖怪のページとか)。
自分の場合、少なくとも中学生の時から作り始めていて、当時は辞書で見つけた気になる言葉をメモしていることが多かったです。
一部はデジタル化して自作サイトのおまけコンテンツとして載せています。
↓
<関連記事(外部サイト)→和風ファンタジーの豆知識/ファンタジーな豆知識/ファンタジーな英語辞典>
- 設定ノートの作り方
- 「設定ノート」は思いついた小説アイディアを断片的にメモしていくノートです。
物語の世界観や、キャラクター、キー・アイテム、ストーリー・プロット等々…。
ハッキリした物語が出来上がっているものもあれば、物語にもなっていないただの「アイディア」もあります。
文字で書いている場合もあれば、図や簡易なイラストで描いている場合もあります。
たとえば自作サイトに載せている「夢の降る島」では、プロット代わりに一連の章タイトルをメモしていたり、後半で冒険することになる「世界樹の切株(ユグドラシル・スタンプ)」の図解(どこでどんな「罠」があるか)や、夢見の娘の衣裳などを簡易イラストでメモしていました。
- 落書きノートの作り方
- 普通のノートあるいは白無地の「らくがきちょう」にキャラクター等のイラストを描いていくノートのことです。
ほとんど絵のみの「ラクガキ」ですが「設定ノート」や「資料ノート」を兼ねていることもあります。
なぜなら、小説に登場させたいキャラを何となくラクガキしているうちに、アイディアが膨らんだり固まったりしてくることがあるからです。
外見の設定や衣装の設定等、この「落書き」で決まっていくことも多々あります。
時には本に載っている中世や近世・近代ヨーロッパのファッションを写し取ったり、実在の「はにわ」から当時の日本のファッションを描き起こしたりしていることもあります。
そういう資料系の落書きは、後々小説のアイディアを考える際、イメージを膨らませるのに役立つので、結構重宝します。
ちなみにそちらの「落書きノート」も、一部デジタル化してブログにしているので、興味のある方はどうぞ(ヨーロッパのドレスや貴族衣装等、西洋服飾史の資料落書きメモもあります)。
↓
<関連ブログ→ファンタジー設定ラクガキ倉庫>
- 小説断片ノートの作り方
- 「小説断片ノート」は、思いついた小説の「プロローグだけ」や「思いついたシーンだけ」を断片的に書いていくノートです。
自分の場合、小説のアイディアがボンヤリ浮かんだら、とりあえず細かい設定を書かないまま勢いだけでプロローグ(あるいは途中の1シーン)を書いてみて「これだと何か足りないかな…」「こういう物語だと、こういう資料調べが必要だな…」というのを見極めていたりします。
(なのでプロローグだけは存在している小説が結構たくさんあったりします…。)
これも一部はデジタル化してブログにしています。
(元はそういう「一部分だけある小説アイディア」を載せていくために立ち上げたブログだったのですが、今ではほぼすっかり「短編やSSを載せるブログ」と化してしまっていますが…。なまじそんな短編やSSに人気が出過ぎて、今更「プロローグだけ」や「1シーンだけ」の未完成な小説を載せにくくなってしまいました…。)
↓
<関連ブログ→言ノ葉スクラップ・ブッキング>
<過去記事一覧(サイトマップ)はコチラ>
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前回、キャラクター・メイキングの仕方(キャラの増やし方)を書きましたので、今回はキャラの書き分けについて簡単にまとめていきたいと思います。
以下はあくまで管理人が「やりやすかった」あるいは「やりやすいと思っている」やり方であり、人によりベストなやり方は違ってくると思いますので、参考程度にご覧ください。
以下はあくまで管理人が「やりやすかった」あるいは「やりやすいと思っている」やり方であり、人によりベストなやり方は違ってくると思いますので、参考程度にご覧ください。
- 特徴を持たせる
- キャラクターを書き分けるには、何よりそのキャラ独自の“個性”を持たせることです。
漫画やイラストなら“見た目”で特徴づけることもできますが、小説は文字だけのメディアであるため、そういうことができません。
ならば、どうすれば良いのか――手っ取り早いのは“しゃべり方”に特徴を持たせることです。
語尾が独特だったり、方言を使うキャラだったり、印象的な口グセがあるetc…
理想は、いわゆる“地の文”を読まなくても「 」の中身だけで、どのキャラの台詞か分かることだと思います。
語尾や喋り方のバリエーションにも限界がありますので、全てのキャラにそれをしていくのは、なかなか大変だと思いますが…。
- 性格を分かりやすく表現する
- キャラを書き分けるということは“性格”を書き分けることでもあります。
たとえば同じ場面でも、キャラの性格によってリアクションは変わってくるはずです。
ライバルにケンカ腰に話しかけられたとして、すぐに怒りだすキャラもいれば、傷ついてシュンとなってしまうキャラもいるでしょうし、ケンカをふっかけられていることにも気づかない天然キャラもいるでしょう。
そういうキャラの“性格”を、読者に分かりやすく(できれば誰にでも分かりやすく)文章で表現するのが、キャラの書き分けの基本でありコツだと思います。
要所要所でそうやってキャラの性格の描写を積み重ねていくことで、読者に「このキャラはこういう場面でこういう風に行動するキャラなんだな」と認知してもらうことが、地味に大切だと思っています。
- ギャップや意外性を出す
- “ギャップ萌え”という言葉もあるように、物事や人柄が読者の「予想の範疇」を全く出ない場合より、「予想を裏切る」思いがけないギャップがあった方が、心を惹きつける効果はあるようです。
完璧な人間がちょっとした弱みを持っていたり、逆に普段はダメダメな人間がここぞという時に能力を発揮したり…。
そういう意外性やギャップはキャラクターに“深み”を与えます。
なので、キャラの魅力をUPさせるために意識的にそういうギャップを入れていくのは、ひとつの手段だと思います。
- 活躍の場を与える
- キャラを立たせるためには、そもそもまず、そのキャラクターを小説の中で“描写”していかなければなりません。
出番も台詞も全く無いキャラクターに「キャラが立っている」も何も無いですから…。
描写を増やすためには、そのキャラに活躍の場を与えることです。
漫画やアニメでも時々、俗に「○○回(←○○の中にはキャラの名前が入ります)」と呼ばれる、特定のキャラクターにスポットの当たる回がありますよね?
そんな風に、特定のキャラクターに光を当てた回(場面)を作り、その背景を掘り下げたり、より詳細に性格を描写していったりすることが、キャラを立たせ、魅力をUPさせるために重要だと思っています。
- 少ない出番でインパクトを残すには“出オチ感”
- キャラを立たせるには“そのキャラの回”を作ることが重要、と上で書きましたが、そのための“尺”が取れないこともあると思います。
キャラクターが多ければ、全てのキャラにまんべんなく光を当てるのは不可能でしょうし…。
そういう時に便利なのは“出オチ感”を利用することです。
登場シーン自体が短くても、その登場シーンにおいて「いきなり変なこと」や「いきなり物凄いこと」をして読者の度肝を抜けば、インパクトは残せます。
分かりやすく“出オチ”という言葉を使っていますが、何も「お笑い」方面のインパクトでなくても、たとえば「いきなり現れた新キャラが、いきなり強敵をあっさり倒して去って行く」といった方向のインパクトでも良いわけです。
登場シーンが少ないキャラには、その少ない登場シーンでインパクトのある言動をとってもらう――これを覚えておくと、ストーリー展開を考える上でも非常に便利だと思います。
<関連記事>
・キャラクターの作り方
<過去記事一覧(サイトマップ)はコチラ>
「キャラクターを上手く作れない」「キャラを増やせない」――小説を書く上で、そうお悩みの方、いらっしゃいませんか?
今回はキャラクター・メイキングの仕方を、簡単にまとめていきたいと思います。
(今回はあくまで「キャラクター設定の作り方」であり「キャラを立たせる方法」ではありません。後者はいずれそのうち…。)
以下はあくまで管理人が「やりやすかった」やり方であり、人によりベストなやり方は違ってくると思いますので、参考程度にご覧ください。
今回はキャラクター・メイキングの仕方を、簡単にまとめていきたいと思います。
(今回はあくまで「キャラクター設定の作り方」であり「キャラを立たせる方法」ではありません。後者はいずれそのうち…。)
以下はあくまで管理人が「やりやすかった」やり方であり、人によりベストなやり方は違ってくると思いますので、参考程度にご覧ください。
- 全体のバランスを考えて、バラエティーに富ませる
- 複数人のキャラクターがいる場合、同じようなキャラが何人もいるより、バラエティーに富んでいた方が良いですよね?
なので、新たにキャラクターを作る際には「既に作ったキャラクターとは別人」になるように意識します。
分かりやすいのは、既にできているキャラの「対極」にあるキャラを作ることです。
既にいるキャラが外交的なら内向的なキャラを。
既にいるキャラが熱血タイプならクールなキャラを、といった風に…。
また、ギャルゲーや乙女ゲームによくあるテンプレな「属性」を当てはめていくというのも1つの手段です。
「ツンデレ」「クール」「ワイルド/オテンバ」「お嬢様/お坊ちゃま」「引っ込み思案」etc…
こういった「属性」があると、後々「キャラづけ」もしやすいです(オリジナリティーを出す上で工夫は必要になりますが…)。
- モチーフを先に決めて、そこから連想する
- 国や刀剣等の「擬人化」キャラが人気を博すことって、ありますよね?
また擬人化とまではいかなくても、キャラクターごとにイメージ・カラーが決まっていたり、バトルものであれば技のモチーフ(風火水土の四元素etc…)が決まっていることって、あったりしますよね?
そんな風に、先に「モチーフ」を決めてしまい、そこからの「連想」でキャラクターを作るという方法があります。
ストレートに「火」だから「血気盛んなタイプ」だとか「水」だから「冷静沈着」とイメージするのも手ですし、逆に「火」なのに「臆病」など、ちょっとハズして意外性を狙っていくのもアリだと思います。
何にせよ、元となるイメージがあった方が、ゼロから設定を生みだすよりはキャラ作りがしやすいです。
それに「それぞれのキャラに対応する色やモチーフがある」という共通点があれば、物語全体に統一感が生まれやすくなります。
ちなみに、モチーフに使われている有名どころとしては「色」「季節(春夏秋冬)」「風火水土」「古典文学やおとぎ話の登場人物(源氏物語やメルヘン童話etc…)」「数字」「星座/天体」等々が挙げられるかと思います。
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以前、「小説で起承転結の承は何を書けば良いのか?」という理想や目標を書きましたが、「どう書くのか?」を書いていなかった気がするので、今回はその辺りをまとめていこうと思います。
あくまで個人の意見ですので、参考程度にご覧ください。
<関連記事>「起承転結」の「承」
あくまで個人の意見ですので、参考程度にご覧ください。
<関連記事>「起承転結」の「承」
- 「転」「結」からの逆算でストーリーを作る
- 以前の記事でも書きましたが、「承」はその後に来る「転」「結」のための前フリ、準備期間でもあります。
なので、「転」「結」に至るまでの間に何が必要か、どんなエピソードを入れれば盛り上がるかを考え、ピックアップしていけば、ある程度「承」のプロットが作りやすいです。
たとえば、バトルものではよくある展開かと思いますが…
「転」や「結」で重要キャラクターの1人が死ぬ・もしくは死にそうなほどに危ない目に遭うとして…
それが主人公と特に絡みもなく、ストーリー上で印象的なエピソードも何もないキャラクターだったとしたら、盛り上がりも何もありませんよね?
そういう場合「承」では先に、そのキャラクターの“人となり”や“背景(バックボーン)”を充分に語っておき、読者にそのキャラクターに対する愛着を持っておいてもらうことが望ましいでしょう。
起承転結の承とは、例えるなら走り幅跳びの前の助走のように、後に来る盛り上がりのための何かを「貯める」パートなのではないかと、自分は思っています。
- 伏線を張り巡らせる
- 「転」にサプライズを作るために必要なのが、「承」の間に伏線を張り巡らせておくことです。
もちろん、ただ「伏線」だけを単独でポッと出すわけにはいきませんので、その伏線を上手くストーリーに絡めて馴染ませるようにエピソードを作る必要があります。
「木を隠すなら森の中」と言うように、伏線を隠すためには周りに余分なエピソードを絡めて「伏線だけが目立たないように」する必要があります。
逆に言えば、伏線をどうやって自然にストーリーの中に埋め込むかを考えていけば、自然と「承」のプロットがある程度埋まっていきます。
- キャラを立たせる
- 物語に魅力を出し、おもしろくするためには、キャラクターを魅力的に書くことも必要です。
起承転結の中でも比較的自由にどんなエピソードでも盛り込める「承」は、キャラの魅力を語るには“うってつけ”のパートです。
主人公など一人のキャラに焦点を当てて深く掘り下げていくのも良いですし、複数のキャラに順番にスポットを当てて「今まで目立っていなかったキャラの新たな魅力を発信」していくのも良いでしょう。
それまで出して来なかったキャラクターの“過去”や“背景”を語ったり、そのキャラクターが特技・得意技を発揮できるような状況を設定して活躍させてみるなど、キャラクターの魅力を盛り上げる工夫をしていけば、自然とプロットが埋まっていきます。
また、マンネリを感じたり行き詰まりを感じた時には「新キャラ」を登場させることで雰囲気を一新させるという手もあります。
- 世界観設定を小出しにしていく
- 物語の魅力のひとつに「世界観」というものもあると思います。
「承」は、そんな世界観を語るのにも適したパートです。
美しい町並みや、珍しい魔法、架空の生き物や、世界に潜む謎…
物語を彩るそれらの「設定」を、少しずつ“小出し”にしていけば良いのです。
ポイントは、あくまで「小出し」にして「承」全体の中に散りばめることです。
なぜなら説明パートが長くなり過ぎると、作品を理解する難易度が上がってしまいますし、読者に飽きられる恐れがあるからです。
できることなら「ただの説明」ではなく、上手く「動き」をつけてストーリーの中に溶け込ませる形で世界観を語れるのがベストだと思います。
(実際にちょっとしたプレイをしながら操作方法を学ぶ「ゲームのチュートリアル」のような感じで…。)
<関連記事>
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まず先に書いておくと、歴史小説とは「もっぱら過去の時代の“様相”を描こうとする小説」、時代小説とは「単に過去の時代を“背景”とする小説」と辞書等では定義されています。
微妙に分かりづらいですが、要するに歴史小説と時代小説の違いは「歴史を“テーマ”として扱った小説か」「“設定として”過去の時代を“舞台”に選んだというだけの小説か」ということになるのかと思います。
ただ、どちらにせよ過去の時代を扱う以上、そこには歴史資料のリサーチ、時代考証という、共通の“課題”が存在しています。
なので、今回はそんな資料調べ・時代考証を中心に歴史/時代系の小説を書く上で自分が感じたことを語っていきたいと思います。
微妙に分かりづらいですが、要するに歴史小説と時代小説の違いは「歴史を“テーマ”として扱った小説か」「“設定として”過去の時代を“舞台”に選んだというだけの小説か」ということになるのかと思います。
ただ、どちらにせよ過去の時代を扱う以上、そこには歴史資料のリサーチ、時代考証という、共通の“課題”が存在しています。
なので、今回はそんな資料調べ・時代考証を中心に歴史/時代系の小説を書く上で自分が感じたことを語っていきたいと思います。
- まずは自分のリサーチ・スキルを把握する
- 歴史小説にするのか、時代小説にするのか、あるいはフィクションをふんだんに盛り込んだ「歴史/時代ファンタジー」にするのか…それは、まず自分の“資料調べ”に関する“能力”、あるいは“好き嫌い”を把握した上で判断するのが良いかと思います。
元から歴史が大好きで、歴史のことに詳しくて、資料調べも苦でない、という方なら、ガッツリと“歴史小説”に取り組んでも問題は無いと思います。
しかし、資料調べに自信が無かったり、資料を読み込むのが嫌いだったり、細かな時代考証など考え始めると心が折れる、という方なら、ある程度の部分をフィクションとして自分の想像で補える“時代小説”や“歴史/時代ファンタジー”にしておくのが無難かも知れません。
まだ自分のスキルがどの程度か分からないという方は、いきなり難しいことには挑戦せず、まずは、多少の歴史知識の甘さは誤魔化せる(かも知れない)“フィクション多めの小説”から始めてみるか、使用する歴史知識を絞り込んだ短編などを習作として書いてみるのが良いかと思います。
ただ「歴史知識が充分にあって自信もあるけれど、自分で考えた架空の人物や物事をたくさん入れたいから、時代小説や歴史/時代ファンタジーで行く」というのはもちろんアリだと思います。 - どの時代を選ぶのか
- 過去の時代と言っても、日本の歴史だけでも、古代・平安・戦国・江戸・明治などなど、大雑把に分けても様々な時代が存在しています。
その中で“どの時代”を選ぶのかによっても、小説執筆の難易度は変わってきます。
まず、時代の古さ・新しさによって資料の数・質が大幅に変わってきます。
たとえば古代のように文字の存在しない時代には、当然、文字資料など存在しませんので、発掘調査の結果などから当時の様子を“想像”するくらいしか、その時代を知りようがありません。
逆に、一般庶民にも文字が普及した江戸時代以降の時代には、資料が溢れ過ぎていて、欲しい情報を絞り込むのに苦労したりもします。
また、メジャーな(人気のある)時代を選ぶと、歴史ファンなどでその時代のことに詳しい人が結構いたりしますので、歴史知識や時代考証が甘いと読者からツッコミを入れられる可能性があります。
逆にマイナーな時代を選ぶと、そもそもその時代に人気が無かったりしますので、その時代の魅力をアピールするのに苦労したり、そもそも読者がなかなか集まらなかったりする可能性があります。
ただ、自分の好きな時代でないと、資料調べのモチベーションが上がらないので、結局は自分が一番書きたいと思える時代――「この時代のことなら調べるのも苦じゃない!」という時代を選ぶのがベストかと思います。 - 「ソレがいつの時代から使われ始めたものなのか」を意識する
- 時代考証のポイントのひとつが、「その物あるいは事が“いつから”使われ始めたのか」を考えることです。
明治時代から導入されたモノが江戸時代の小説に出てきたらおかしいですし、過去の時代の人物が現代用語をペラペラ口にしていたら違和感が生じる、ということです。
もっとも言葉に関しては、全てを全て当時の言葉で表現するとなると「それ、どこの古文書ですか」という話になってしまいますので、“時代っぽさ”を感じさせつつも、現代人にも分かりやすい文章という、難しいバランス感覚が必要になってきます。
カタカナ言葉や横文字言葉に注意する(出さない)のはもちろん、時代考証のクオリティーを重視するなら、小説内に登場する小道具や制度、慣用句などにも注意を払って意識していくことが大事になるかと思います。
(ことわざや慣用句の中には、歴史的な出来事や江戸時代の歌舞伎などがルーツとなっている言葉が、少なからずあります。そうなると当然、その語源となった物事より以前の時代にソレが使われていると「おかしい」ということになるのです。…歴史ファンでも気づかない人は気づかない細かい部分ではあるでしょうが…。)
ちなみに自分は古代ファンタジー小説を書いた際、時代考証に「日本語源大辞典」等を活用していました。
(ただし倭風描写版の方のみ。普通描写版の方ではあえて現代に近い言葉も多く使っています。) - 参考文献(資料)に対するカンを磨く
- 過去の時代について調べるには、その時代に関する資料を読み込まねばなりません。
しかし、小説中に使いたい事柄についてピンポイントに解説した資料を探すのは、なかなかに難しかったりします。
たとえば上でも書いた通り「〇〇はいつから使われだしたのか」ですとか、「時代劇によく出て来るアレって、何て名前なんだろう?」ですとか…。
たとえばネットで検索するにも「検索ワード」が分からなければ上手く探せないように、資料を探すにもコツが要ります。
近場に大きな本屋や古書店や蔵書量の多い図書館などがあるなら、歴史コーナーの本をパラパラ読んで、使いたい知識が載っているかどうか確認することもできますが、地方ではそうもいきません。
田舎では近くに大きな本屋もそうそう無いので、本を買うにはネット通販頼みになってしまったりするのですが、資料系の本は高いので、本のタイトルや著者名、表紙などの情報しか無い状態で買うのは、なかなかにギャンブルだったりするのです。
欲しい知識の載っていない“ハズレ”を引かないためには「どんな本に欲しい知識が載っていそうか」というカンを磨いていくしかないのですが…これは数をこなして経験を積んでいくしかないのかも知れません。
ちなみに以前、とある新撰組マンガの作者さんの体験談で「江戸時代の生理(月経)事情についてなかなか資料が見つからず、ダメ元で江戸時代のトイレ事情に関する本を読んでみたら、そこに生理のことについても書いてあった」という話を読んで以来、自分も資料を探すにあたっては、頭を柔らかくして「一見関係無さそうな本にも一応注目してみる」ようにしています。
あとは、本に限らず普段から広く様々な情報にアンテナを張っておくことも重要かと思います。
(関連記事>小説の資料は本のみにアラズ。) - ネット情報や物語は鵜呑みにせず、ウラを取るようにする
- 欲しい情報をタダで素早く入手できるネット検索は便利なものですが、その情報は正確なものから少し怪しいものまで玉石混交に混じっています。
なので、ネットで知識を得る場合には「これは本当に正しい情報なのか」と一度は疑ってみる必要があります。
それが信頼できるサイトのものなのかどうか、参考文献は示されているのか等…。
それと、時代を調べる上で見落としがちなポイントのひとつに「“物語”に描かれたことを鵜呑みにしてはいけない」ということがあります。
小説にマンガ、ドラマに映画等々、歴史を描いた物語は数多く存在しています。
現代人の中には、そういうものから歴史を学んできたという方も数多くいることでしょう。
しかし、物語はあくまで物語であり、そこには物語をより劇的にするための演出や脚色が含まれていたりするものです。
物語のイメージから史実だと思い込んでいたものが、実際には違っていた、というのはよくあるケースですので、そこも注意が必要です。
ただし、全てを全て史実に忠実に描いていくとなると、地味になり過ぎてしまったり、面白味に欠けてしまったりする可能性がありますので、自分で実際に歴史/時代小説を書く際には、やはりある程度の演出や脚色は必要になってくるのかも知れません。
<関連記事>
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