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管理人がどうやってオンライン小説サイトを作っていったのか、その実体験によるノウハウや悪戦苦闘の日々をつづるWEB小説制作日記ブログです。 ちょっと変わった独自システム付きのネット小説サイトを運営しています。
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小説を書き始めて間もない頃、ある悩みがありました。
それは「キャラの一部が空気と化している!」という問題でした。
 
設定上、その場面のその場所には複数のキャラクターが存在しているはずなのに、一人か二人のキャラしか喋ったり動いたりしておらず、他のキャラは何をしているのか分からない〝物語のカヤの外〟状態になってしまったりしていたのです。
(しかもモブキャラでなく、ちゃんと名前も設定もあるようなキャラが‥。)
 
今なら何が問題だったのかよく分かるのですが、当時の自分は「キャラクターや世界の設定を創ること」自体が楽しくて、無闇やたらとキャラクターを増産しまくった上、動かしやすい(あるいは、その小説のキャラの中で特にお気に入りの)キャラしか動かしていなかったのです。
 
性格設定も能力設定も異なる複数のキャラクターを書き分けていくこと自体、技術が要ることですし、一部のキャラクターだけに描写が偏らないようバランスをとっていくには神経を使います。
しかもキャラ数が多ければ多いほど、文章量が増えて小説全体のボリュームも増えてしまいます。
 
なので、空気化するキャラを産まないためには、そもそもキャラクターの数を考えナシに増やさず、自分が回していけそうな人数に絞っておくべきなのです。
(まぁ、自分の過去の経験から考えると、若い(学生の)うちは「ストーリーを書くよりキャラを書く方が好き」という気持ちが強かったりして、なかなかそういうガマンがきかない気もするのですが‥。)
 
とは言え、物語の都合上、どうしてもキャラクターが増殖してしまう、ということはあるかと思いますので、そんな場合に〝上手くキャラを回していく方法〟ですが‥‥まずは、一つの場面にあまり多くのキャラをいっぺんに置かず、回しやすい少人数のグループに分けて分散させておく、という方法があります。
例えば〝主人公(勇者etc)のパーティーメンバー〟のような、常に最前線にいるレギュラーキャラ達であったとしても、何らかの理由をつけてグループ分けした上、別行動させておき、一つの段落(もしくは章)で〝グループA〟を描写した後、次の段落(章)で「一方その頃〝グループB〟は‥」という具合に、場面を切り替えて〝順番に〟キャラクターを描写していく、ということです。
 
あるいは各キャラの〝見せ場回〟を設定し「今回はこのキャラの回だから、他のキャラは一休み」という風に、その場面でどのキャラを優先して描写するかを決めておき、「この場面が一段落したら次は別のキャラの回」という風に、各キャラクターごとに順番に〝見せ場〟を回していくのも有効です。
(バトル漫画などでよくある、敵キャラ1人につき相手をする味方キャラが1人決まっていて、その敵が倒されるまでは1対1のタイマン形式で話が進む、といったイメージもしくは、恋愛ゲーム等で各キャラごとのイベントが発生する、といったようなイメージです。)
 
あるいはドラク◯の戦闘システムのように「キャラAの攻撃!→だが上手くかわされた!→敵の反撃で中ダメージ!→キャラBが回復魔法を発動!」と言った具合に各キャラに順番に〝ターン〟を回すことを意識して書いていくと、わりとまんべんなく出番を作っていけるかな、と思います。
 
あとは、いっそのこと、活躍の場が用意できなさそうなキャラには、何らかの理由をつけて〝欠席〟もしくは〝一時退場〟してもらうのも一つの手だと思います。
呪いやスランプで急に能力が使えなくなってしまい戦線離脱だとか、使節として遠国に旅立ってもらうだとか、己の弱さを痛感して修行を始めてもらうだとか‥。
ただそのまま忘れ去られてしまうのでは、あまりにも不憫であり、もしもそのキャラにファンがついていた場合にはファンも含めて可哀想なことになってしまうので、折を見て復活させるのはもちろん、その際には新しい能力を身につけて、主人公のピンチを颯爽と救ってくれたりなどすると、王道の燃える展開になってなかなか良いのではないか、などと思います。
 
‥と、まぁ、いろいろ書きましたが、要するに「1つの場面に登場させるキャラ数は〝作者が回しきれる人数〟に限っておくこと(モブキャラはノーカウント)」と「空気化するキャラが出ないよう、まんべんなく作者の愛(=出番と見せ場)を注ぐ努力をすること」がポイントなのではないかと個人的に思っているわけです。

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ファンタジー小説を書いていて、いつも難しいなと感じるのが、ファンタジーな知識や設定の〝説明〟です。
 
たとえばRPGでおなじみの中世ヨーロッパ的世界観なら当時の騎士たちの武装や戦い方や生活様式、王女や皇女や貴族令嬢が活躍する宮廷ラブロマンスなら爵位制度や宮廷ファッションや宮廷文化、神話や伝説・妖精や幻獣を取り入れるならそれらについての詳しい知識‥といった具合に、ファンタジー小説を書くには多少なりともそういったファンタジーな知識が必要であり、そこに自分なりのアレンジやオリジナル要素を加えて設定を創っていくわけですが‥‥
 
それら、現代の日本社会には存在しないアレやコレやを、いかにして読者の皆様に〝理解して〟もらうのか、ということです。
 
作者であれば、(事前に資料の読み込みをしたならば)そもそも〝調べた〟上で書いているわけですから、当然のことながら、ある程度の〝知識を持って〟います。
でも、作品を読んでくれる読者の方々がそれらの分野についてどの程度の知識を持っているのかは、人にもよりますし、さっぱり分かりません。
 
とは言え、それらの知識の中にはストーリーの進行に直接絡まない「知っていようといまいと特に問題のない知識」も存在しますので、出て来る知識を一から十まで全て説明しなければならないということではありません。
 
ただ、作者と読者との間で知識量に差がある場合、「〝ストーリー展開上、読者に知っておいてもらいたい知識〟であるにも関わらず、あまり一般には知られていないようなコアでマニアックなファンタジー知識」を、さも「皆知ってるだろう」「こんなの初歩の知識だから説明なんて要らないよね」といった感じでロクな説明も無いまま小説に盛り込み、どんどん話を進めていってしまうと、読者が〝おいてけぼり〟になり、場合によっては心が離れていってしまう可能性があります。
 
しかし、説明に文章量を割き過ぎるとそれはそれで、物語のテンポが悪くなってしまったり、既に充分な知識を持つ〝ファンタジー小説のベテラン読者〟から退屈がられてしまうという可能性もあります。
 
そもそも読者にも様々なタイプがあり、ライト・ファンタジー好きか・本格的なハイ・ファンタジー好きか、未知の知識を求めるタイプか・そうでないかによっても、ファンタジー小説に対するニーズが変わってきます。
新しいファンタジー知識を〝仕入れる〟のが大好きな読者なら、ディープな知識に詳細な説明を入れてもワクワクして読んでもらえるでしょうが、逆にそういった〝マニアック過ぎる知識〟に興味のない読者だった場合、説明に長々と文章を割かれるのは退屈で飽きてしまうことでしょう。
 
なので、なおさら「どの程度知識を盛り込むべきか」「その知識の説明はどの程度詳しくすべきか」といったことで、よく悩んでしまうのです。
 
とりあえず自分の場合「マイナーであろう知識には、それなりの説明またはフォロー(さりげない補足)を入れる」ことを心がけています。
ただ、このマイナーかメジャーかの判断がまた、なかなか難しいのですが‥‥。
(同じ職場の女性社員には「ファンタジーと言えばディズニーかジブリ」という人も相当数いるように見受けられるので‥。そうなってくるとRPGなどでおなじみのアレやコレやの知識でさえ既にマニアックということになってしまうのではないかと思ったり‥‥)
 
それと、ネット小説という〝インターネット媒体〟を使った小説(しかも投稿型では難しいので、自作するタイプの〝小説サイト〟が主)でしか使えない手段ではありますが、読み手の(ファンタジーな)知識量に差があってもユニバーサルに読書を楽しんでいただくための〝工夫〟として、知識のある方は説明を表示せずに読め、まだ知識を持たない方はワンクリックで本文横に解説を表示できる「用語解説フレーム」というシステムを、自サイト「言ノ葉ノ森」には実験的に組み込んでいます。
(しかも「夢の降る島」に至っては「ファンタジーレベル」の調節機能で解説文の文章量も増減したり、プラスアルファの雑学が追加されたりと、さらに実験的なことをやっています。)
 
ただ先にも述べた通り、これはネット小説というインターネット・メディア限定の手法であり、紙媒体の小説などの他のメディアにそのまま移植することはできません。
なので、他メディアで使える手法についても考えていくことが、今後の課題のひとつかな、と思っています。

関連記事:「過不足のない説明を。

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ファンタジー小説と言えば、例えば〝魔法〟であったり〝異能〟であったり〝異世界〟であったり〝異種族〟であったりと、その世界観の中に〝今のこの世界(時代)には無い何か〟があることが特徴であり、魅力です。
 
しかし、そんな世界観が、ファンタジー小説の書き手を悩ませるモノであったりもするのです。
ファンタジー小説を書くためには、それなりの〝設定〟を作り込まなくてはなりません。
設定の作り込みが甘いと、執筆途中に筆が止まったり、下手するとスランプにまで陥ってしまいますし、設定の出来次第で作品のクオリティーが左右されてしまうこともあります。
 
なので、そんな〝設定〟を創るにあたり、資料を調べて〝これから書きたい物語〟に関連した〝知識〟を収集する人は多いかと思います。
 
既存の知識を小説の中に取り込めば、〝本格感〟が増しますし、ストーリーにいくらかの〝リアリティー〟をプラスすることもできます。
それに作者が元々そういった〝ファンタジーな知識を覚えるのが好きな人間〟であれば、資料調べ自体が楽しい作業ですし、モチベーションを上げる効果も期待できます。
 
しかしながら、調べた資料の内容を〝全て〟物語の中に投入することなどできるはずもなく、そこには「どの知識を取り入れて、どれを捨てるのか」という取捨選択の問題が発生してきます。
 
これが個人的には結構、悩みの種だったりします。
作者的には「せっかく調べた知識なので是非とも小説に取り入れたい」という思いがあり「アレも入れたい、コレも入れたい」となるのですが、ストーリーの本筋と関係のない知識を制限なくバンバン取り入れていては、話が脇に逸れ過ぎてしまいますし、物語の〝核心〟がボヤけてしまいかねません。
それに、場合によってはそれらの知識の説明にそれなりの文章量を割かなくてはいけませんので、ボリューム的な意味でもそう多くの知識は入れられません。
 
そもそも、作者が好きで入れたい知識だとしても、そこに読者のニーズがあるかどうかも分かりません。
中にはディープな知識を求める本格ファンタジー好きの方も当然いらっしゃるでしょうが、全ての読者がそうとは限りませんし、〝深い知識を求めず、ライトに話の筋だけを楽しみたい〟読者だった場合、マイナーな知識についての事細かな説明文は退屈だと思われかねません。
 
なので自分の場合も〝知識としては面白いけど、物語上、出て来る必然性が全くない知識〟は泣く泣く入れるのを諦めたりもしています。
ただし、入れられる隙を少しでも見つけられると、むしろ〝おまけの雑学〟のような感じで積極的に取り入れていたりもするのですが‥‥。
(「花咲く夜に君の名を呼ぶ」で「神輿をやたら乱暴に振り動かす理由」だとか「〝高橋〟姓の由来」やら「唐菓子」やら「うなぎ松明」やら、やたらとマニアックな知識がちょこちょこ出て来るのはそのせいです。あと、登場する神様自体、日本神話の中ではビミョウにマイナーだったり‥‥。)

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小説の中でバトル・シーンやアクション・シーンを描くのは、結構大変なことです。
今の時代に生きているのであれば、少年マンガやアニメやドラマ、時代劇やハリウッド映画などなど、バトル・シーンやアクション・シーンの〝参考〟にできるメディアは山ほどあります。
しかしそれを〝文章〟で、しかもオリジナルで書くというのは、なかなかに難しいものなのです。
 
まず、マンガなら絵で、アニメやドラマであれば動画で表現できることを、文字だけで表現しなければならない、という難しさがあります。
しかもそれをカッコよく、かつテンポ良く〝魅せ〟なければ読者の皆様に退屈に思われてしまうかも知れません。
さらに理想を言うなら、そんなシーンの中には読者の皆様を「あっ」と言わせるサプライズ的な戦略・戦術があることが望ましいのです。
 
ですがそれには当然、テクニックが必要だったり、作者自身が知恵を絞りまくらなければならないのです。
 
自分の場合、その「知恵」として現実世界の物理法則や古の哲学的思想を利用させてもらうことが多いです。
自分に知恵が足りないなら、知識から補おう、ということです。
 
たとえば「花咲く夜に君の名を呼ぶ」の中のバトル・シーンでは雷のメカニズムを参考にしたり、陰陽五行思想の『土剋水(どこくすい)』の考え方を参考にしたり…という風に使っています。
 
現実の法則や思想を参考にすることにより、ストーリー展開にも「それなりのリアリティ」が加わる気がして個人的にはとても好きな方法なのですが、実際のところ読者様にどう思われているのかは「バトル・シーンのココがこうだから良かった」もしくは「悪かった」などシーンひとつひとつについての細かい感想をくださる方がいないので、よく分からなかったりします。
 
あとは、そのシーンを頭の中でビジュアルとして想像した際に〝映える〟ことを目指して書いています。
ただ火の弾がバシュン!と飛んでいくだけではなく、「いくつもの流星のように」飛んでいくだとか、「舞を舞うように」剣を振るうといった具合に、比喩を利用して一つの動作の上に別のイメージを重ね、想像の〝幅〟を広げていくのです。
それから当たり前と言われれば当たり前なことのですが、物語ごとにバトル・シーン、アクション・シーンの雰囲気を変えています。
 
古代日本風世界を舞台にしたシリアスな和風ファンタジー小説である「花咲く夜に君の名を呼ぶ」では、火や風や水、花びらや雨などの自然物を使いつつ、日本神話の要素を取り入れ、古代の霊異のような雰囲気を出す工夫をしていますし、既存ファンタジーへのオマージュをふんだんに取り入れたコミカルな児童文学的ファンタジー小説である「夢見の島の眠れる女神(「夢の降る島」第1話)」では、「魔弾の射手」の魔弾や伝説のアーチャー「那須与一」や「ウィリアム・テル」、「インドラの矢(←作中では不発に終わりますが‥‥。)」など、神話や伝説、古典ファンタジーのアイテムや人物などをバトルに利用しています。
また、魔法少女風のラブコメ・ファンタジー小説である「魔法の操獣巫女エデン」では、よりコミカルで、魔法少女らしくガーリーな雰囲気を目指し、バトル・シーンでも、おもち的なものや果物が飛び交います。
 
そんな風にバトルやアクションでも、その物語〝らしさ〟が出るように、そのバトル・シーンやアクション・シーンを通して、より物語に魅力を感じてもらえるように工夫しています。
 
バトルやアクションの回数が増えれば増えるほど、バリエーションがなくなり、キツくなって来たりもしますが、そこは普段から参考になるようなアクション・シーンやバトル・シーンを見て勉強するなどして、自分の表現の幅を広げていくしかないのかな、と思っています。

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世界観や状況の説明、キャラクターの背景や特殊能力の説明等々‥‥物語を書き進めていくには、何かと〝説明〟というものが必要になってきます。
説明が足りなければ、読者は小説の中で何が起こっているのか・どんな状況なのか分からず〝おいてけぼり状態〟になってしまいますし、逆に説明が過剰だと、「説明ばっかり多くて読むのが面倒くさい」となりかねません。

〝ちょうどいい〟説明の量というのは、読者の方の知識量や理解力によっても変わってきますし、プロの作家の方でも悩ましく思うような難しい問題なのではないかと思います。

今回はそんな〝過不足のない説明量〟を目指す上で、個人的にポイントだと思っている点をいくつか書き出していきたいと思います。

まず最初のポイントは(初歩であり基本ではありますが)「うっかり説明をはしょらないように気をつける」ということです。

作者は大概の場合、その小説の世界観・キャラクター等あらゆるオリジナル要素の〝設定者〟でもあるわけですから、説明されるまでもなく初めから全てを理解しています。
しかし、〝そこ〟が間違いを犯しやすいポイントなのです。

読者の方は、その物語の設定を何も知らない〝白紙状態〟で小説を読み始めます。
作者であれば当然知っている〝主人公が置かれた状況〟や〝舞台となる国や世界がどんな特徴を持っているのか〟〝どんな生物が住んでいて〟〝どんな問題が発生しているのか〟等々の情報を一切持たない状態からスタートするわけです。

作者も、物語の冒頭の辺りであれば「さぁ!これから小説を書くぞー!」とモチベーションも意識も高い状態なので、説明もしっかり気を配って書いていくことでしょう。
しかし途中、慣れたりダレたりしてきた時、うっかり〝しておかなくてはいけない説明〟を忘れたまま進んでしまうと、後で読者が「え?このキャラって、こんな能力持ってたっけ?」だとか「‥‥って言うか、コレ誰?」だとか「このキャラ、何で(主人公と読者(と作者)しか知らないはずの)この事実を知ってるんだ!?」などとプチ・パニックを起こしかねません。

それと、説明には「説明するのにちょうどいいタイミング」というものがあったりするものなので、そこを逃さず忘れずきちんと説明しておく、というのも重要です。
説明を忘れていたことに後で気づいて入れようとしても、それが説明したい事柄と何の関係もないシーンだったりすると、〝唐突感〟が否めません。

第2のポイントは「自分の知っている知識は読者も知っている、という前提で書かない」ということです。

たとえばファンタジー小説だったり時代小説だったり特殊な舞台を持つ物語では、小説の中に様々な知識や特殊用語が登場します。

そんな知識や特殊用語について「このくらいのことは皆知ってるだろうから、わざわざ説明しなくてもいいだろう」と安易に判断してしまうのは、読者層を狭めてしまう危険があります。

読者の知らない単語について何の説明もないまま話がどんどん進んでしまうと(しかも、そんな意味の分からない単語が次から次へと増えていってしまうと)、読者の頭の中は〝?マーク〟だらけになってしまいます。
中には途中でギブアップして読むのをやめてしまう方も出てくることでしょう。

とは言え、先ほども書きましたが、読者の持つ知識量は人それぞれです。
義務教育で習うレベルの知識でも(忘れてしまっていたり、苦手教科だったために覚えられなかったり、あるいはそもそも年齢的にまだ習っていなかったりで)説明しなければ分かってもらえない方もいれば、その一方で、単語を出しただけでその意味から歴史的背景まですぐに思い出してくれる方もいることでしょう。

知識の少ない方にとっては「説明が足りない」と思うようなことでも、知識を既に充分過ぎるほど持った方には「こんな説明わざわざ要らないのに。この作者、読者をナメてないか?それともコレ、もっと低年齢向けなのか?」などと受け止められてしまう可能性はあります。
しかも多くの場合、読者の方は自分自身の知識レベルだけを基準に物事を判断するので、同じ物語を読む〝自分とは知識量の違う他人〟のことなど頭には浮かばないのです。
( ↑ 個人的見解ですが、Amazonのレビューなど読んでいると、こういう風に思えてならない時がよくあります。) 

そんな千差万別の知識の違いに完璧に対応した「誰にとっても過不足のないベストな説明」というのは、現実的に不可能です。
しかし理想としては「その分野の知識を持っていない読者層も新たに取り込めて、なおかつ既に知識を持っている読者も飽きさせない」どちらにとってもベターな説明量というものを追求していきたいな、と思うのです。

第3のポイントは「言葉にしないと伝わらないことは、ちゃんと言葉にしなくてはいけない」ということです。

これは特に、キャラクターの心理描写などで言えることかと思います。

キャラクターの頭の中を常に覗き見できるも同然の作者とは違い、読者にとって、キャラの頭の中を想像する材料は、小説の中の文章だけです。
それゆえ〝セリフ〟や〝モノローグ〟や〝動作〟などで〝表現(←文字通り、表に現すことで表すこと)〟をしないと、読者にキャラの考えや想いは伝わりません。
しかし、作者は誰に説明されるまでもなくキャラクターの心情を把握しているため、うっかり描写を怠ってしまったり、描写が足りなくて説明不足になってしまう可能性があります。

そうすると、読者がキャラクターの言動を理解できなかったり、共感や感情移入ができないという事態が発生してくるわけです。

とは言え、あまりにも何から何まで全て説明してしまっては、かえって〝興醒め〟になりかねませんし、言外に、あるいは行間に託して登場人物の心情を描くことや、あえて明瞭な描き方をせず、読者に〝想像の余地を残す〟というのは小説の書き方としてよくあることです。

つまりはここでも、十人十色な読者の読解力と、作者が〝どれだけ〟心情について描写を割くかの「せめぎ合い」ということになってしまうかと思います。

まぁ、総じて言えば「作者と読者とでは作品に関する情報量も、作品のベースとなる知識の量も、キャラクターの心情把握能力も違うのだから、そこを意識して書こう」ということになるかと思います。

ただ、あまりにも「説明が足らなくならないようにー!もっと書かなきゃー!」となると説明が過剰になる上、小説自体のボリュームも大変なことになってしまうので、そこは〝簡潔〟でスッキリした〝ちょうどいい〟説明を目指さないとダメなんだろうな、と思います。

正直、〝過不足なく〟〝ちょうどいい〟というのは、コレといった答えがなく、常に追い求めていかなければいけないタイプのものですので、「文章力を高める!」とか「知識を増やす!」とか「キャラクターの魅力をアップさせる!」のような単純に高みを目指していけば良いものよりよほど難しいのですが‥‥。

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好きな小説ジャンル:
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備考:
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