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管理人がどうやってオンライン小説サイトを作っていったのか、その実体験によるノウハウや悪戦苦闘の日々をつづるWEB小説制作日記ブログです。 ちょっと変わった独自システム付きのネット小説サイトを運営しています。
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「良い文章とは何だろう?」「文章力があるとは、どういうことだろう?」というのは「小説を書きたい」と思うようになってから、ずっと胸に抱いてきた疑問のひとつです。
 
たとえば、美辞麗句を使いこなせることや、一握りの人間しか知らないような難しい語句を操れることが、文章力の高さなのでしょうか…?
 
確かに、そういったものを“評価”する方もたくさんいることでしょう。
 
しかし自分は必ずしもソレが文章力の高さだとは思っていません。
 
かつては自分も、小説の中にハッとさせられるような美しい言葉、今まで知らなかった難しい言葉を見つけるたびに喜び「この作者さん、すごい」と思っていたことがあります。
 
しかし、中学生の頃には既に「ソレが本当に文章力の高さなのか?」と疑問を抱き始めていました。
 
どんなに美しい言葉を使いこなせても、どれだけ難しい言葉を知っていても、それが一握りの人間にしか理解されず、心に届かないものなのだとしたら、そこに意味はあるのだろうか、と。
 
世の中は徐々に活字離れが進行し、出版不況の影も迫り、自分の周りにも難しい小説や文学作品を読む人間はそれほど多くいませんでした。
 
それが「文章が難しくて理解できないから」「そもそも読む気が起きない文章だから」なのだとしたら、自分はそれを目指すべきではないのではないか、と。
 
ならば、自分が目指すべき文章――本当の文章力とは何なのか…。
 
モヤモヤ考え続けた果てに中学生当時の自分が辿り着いた“一定の結論”は「やさしい言葉で世界のあらゆる物事を説明できること」でした。
 
難しい専門用語を使って難しい理論を説明することなら、たぶん誰にでもできる(と当時の自分は考えていました。←実際にはそれ相応の知識とスキルが無いと厳しいでしょうが…。)――でも、幼稚園児や小学校低学年の子どもにも分かるような言葉でそれを説明することは、誰にでもできることではない――だから自分が目指すべきなのは、たとえばそんな幼稚園児や小学校低学年の子にアインシュタインの相対性理論を“理解”させられるような文章スキルなのだ、と。
 
(“たとえ”の具体例がとんでもなくハードルが高過ぎるので、未だにそこを実現できているとは思えないですが、まぁ、そこはあくまで例のひとつということで…。)
 
そしてソレを目指すために、具体的にどうしたら良いのかを考えました。
 
なまじ難しい単語を知ってしまうと、ついついソレに頼りがちになって「相手がその言葉で本当に理解ができるのか」「どうしたら分かってもらえる文章になるのか」を考えることがおろそかになってしまう気がしていました。
 
だったら「あえて難しい言葉を覚えない」ようにして、「今持っているカンタンな言葉だけを使って“全て”を説明できるよう工夫」してみたらどうなのか……
 
実際、中学校~高校時代の自分は、そうして「あえて自分の中に難しい言葉を入れないように・使わないように」していたことがあります。
 
(でも時々は難しい小説も読んでいた(たとえば高校時代なら遠藤周作さんの「沈黙」とか)ので、覚えようとしなくても勝手に入って来てしまうことはあったかも知れませんが…。)
 
易しい単語しか知らない・使わない、となると「そんなので本当に文章力が上がるのか?」「国語力が落ちるのではないか」と思われる方もいらっしゃるでしょうが――中学時代にそんなことを考えて、難しい言葉をなるべく使わないよう習慣づけていた自分が高校時代に模試で叩き出した国語の最高偏差値が80なので、あながちコレは、それほどひどく“間違った”考えではないと思っています。
 
(ただし、自分の場合は中学生になるまでの間の読書量もそれなりにあって、既にある程度の国語力が身についていたという“前提”があってのことだと思います。誰にでも当てはまることではないと思いますので安易に真似しない方が良いかも知れません…。)
 
ただ、そんな中学生当時の自分の「本当の文章力とは…?」の“答え”と“同じ考え”を持つ人には、今までに出会ったことがありません。
 
それどころか、まだまだ“文章自体の美しさ・技巧・凝った言い回し”が評価され、“やさしい言葉のみで書かれたもの”は評価されないどころか、逆に「文章力が無い」と「ナメられて」しまっているような気がしてなりません。
 
それはたぶん「美しい単語」「難しい単語」が文章の中に“在る”ということは、“目で見て誰にでも分かる”けれど、その文章が「分かりやすい」「心に真っ直ぐ届く」といったことは個人個人の感覚でしかなく、“目には見えない”“ハッキリとは分からない”あるいは“無意識過ぎて気づかれもしない”ことだからだと思います。
 
目に見える“言葉遣い”なら、評価はしやすいですし、その評価を他人とも共有しやすいでしょう。
 
けれど「何となく読みやすい気がする」「何だか妙に心に残る」「やけに心にひっかかる」といった“感覚”は評価にしづらく、他人とも共有しづらいものですし、そもそも本人が意識すらしていないかも知れません。
 
けれど、その「無意識のうちにでも、心に刺さる」ということが、「本当の文章力」なのではないかと、やはり自分は思うのです。
 
美しい言葉遣いや難しい用語を否定するわけではありません。
 
むしろ中学時代よりちょっと不純で小賢しくなった今の自分は「読者にナメられず、スゴイと思わせたいから、ちょっとレアな単語も取り入れよう」なんて思っているくらいですから…。
 
ただ、表面をどれだけ美しく、あるいは珍しく凝ったもので飾れても、それが読み手の心に残らず、一度読めばサラッと流されてしまうようなものでは「せっかく書いても、つまらないな」と思うのです。
 
美しい言葉や難しい言葉をたくさん覚えても、それはあくまで作品を彩る「スパイス」に留めておいて、それを「主」にはしたくないのです。
 
「美しい文章を書こう」「難しい技巧を使いこなそう」と、そればかりに心を囚われてしまっては、言葉を操るべき物書きが、逆に言葉という“道具”に振り回されてしまうような気がしてならないので…。
 
まぁ、文章力が高かろうが低かろうが、結局、小説にとって一番大切な命題は、その文章力を使って「“何を”描くのか」という部分だとは思っているのですが…。

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備考:
漢検2級(準1以上は未受験)。国語の最高偏差値80(高2時点)。

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