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管理人がどうやってオンライン小説サイトを作っていったのか、その実体験によるノウハウや悪戦苦闘の日々をつづるWEB小説制作日記ブログです。 ちょっと変わった独自システム付きのネット小説サイトを運営しています。
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noteさんの方に載せている記事で『小説の評価は「理解度」に左右される』ということを書いたことがありますが…

読者の理解力(読解力)に期待する前に、作者の側でも出来ることがあります。

それは読解力の高くない読者でも小説の内容が理解できるよう、難易度を調整することです。

作品と読者の出逢いは「運」であり「めぐり合わせ」。

偶然自分の作品にめぐり合ってくれた読者が、その内容を理解してくれる力を持っているとは限りません

難易度の高い小説は、その分「読み手」を選びます。

高い読解力を持つ読者にしか理解してもらえず、よって評価してくれる人も少なくなるのです。

今は「読書離れ」「活字離れ」が深刻な時代。

「小説」自体に慣れていない人々も増えています。

そういう層を小説というコンテンツに呼び込むためには、読解力の低い読書初心者にも「理解してもらえる」スキルが必要なのではないでしょうか?
難読漢字や難解な単語を減らす
自分の読めない漢字、分からない単語ばかりの小説は、どうしても「難しい」と感じてしまいがちです。

しかし漢字は平仮名にすることもできれば、ルビ(ふりがな)を振ることもできます。

同じ言葉でも「有難う」と書くのと「ありがとう」と書くのとでは、感じ方が違ってきますよね?

さらには単語も「易しい言葉」に言い換えることが可能です。

たとえばこの「易しい」という単語も、「平易」→「易しい」→「簡単」など、読者のレベルに合わせて難易度を調節することが可能なのです。

あるいは難しい言葉を使った後に、さらっとフォローを入れるのも一つの手です。

少し説明台詞的にはなってしまうのですが…

たとえば難解な説明を入れた後に、登場人物の台詞で「なるほど○○ということか」など、嚙み砕いた説明を入れることで難易度を下げることは可能です。
 
ボリュームを減らし、設定や構成をシンプルに
物語を読むことに慣れていない読者は、そもそも長文を読むことが苦手です。

さらには文章から物語の「設定」を読み取ることも苦手です。

ボリュームのある大長編は、その分「設定」も多く複雑になります。

読解力の低い読者は、この時点でもう「お手上げ」になってしまうのです。

皆さん、小学生の頃に読んだ児童向けの物語を覚えていますか?

どれも文字は大きく、1ページあたりの文章量が少なく、構成も比較的シンプルではありませんでしたか?

(ハリー・○ッターシリーズのような例外もあるにはありますが…。)

読者という生き物は、そういうシンプルでボリュームの少ない物語から、複雑でボリュームの多い物語へと、徐々にステップアップしながら読解力を育てていくものなのです。

もしも複雑でボリューミーな作品が評価を全く得られなかったとしたら、それは「内容」が問題なのではなく、その場に集う読者とその作品のレベルが合っていない可能性があります。

「内容」を変えてもどうにもならない時には、一度その「レベル差(難易度)」を見つめ直してみるのも良いかも知れません。

(ちなみに投稿小説サイトで作品が評価を得るまでには6つの壁がありますので、本文を直しても別の壁に阻まれる可能性はあります。他の壁についてはnoteさんに載せているこちらの記事をご参照ください。)
  ↓
小説ヒットのためにクリアすべき6つの壁(これを知らずに絶望するのは早い!)
 
説明を多く入れる
読解力の低い読者は「行間を読む」のが苦手です。

間接的に描かれたものを読み解くことができず、「匂わせ」や「ほのめかし」に気づきません。

よって、登場人物の心情を読み違えたり、あらぬ勘違いをするのです。

この誤解を防ぐには、間接的で分かりにくい表現を避け丁寧に「説明」を入れていくことです。

「この場面では、この人物はこういうことを考えている」…それを読者に分かりやすく提示することです。

やり過ぎると作品が「説明文」的になってしまい、情緒がなくなってしまうため、バランスが難しいところではあるのですが…

ネットのブックレビューなど読んでいると、ストーリーや人物の心情を読み誤っている読者は実際の所、結構いるのです。

「誤解」で評価が下げられるほど「もったいない」ことはありませんので、こうした「行間が読めない人向けの配慮」もある程度は考えていった方が良いでしょう。
 
「分かりやすい」ことで評価が下げられるリスクもある
難易度を下げる上で知っておいた方が良いのが「難易度が低いことで評価を下げる層もいる」という事実です。

「難解であること」が「文学的に優れていること」と思い込み、「内容が分かりやすい」とそれだけで評価を下げる読者も一定数いるのです。

ひらたく言うと「易しい表現ばかり使っていると、言葉を知らないと思われてナメられる」ということなのですが…

おそらく、そういう評価をつける人たちは一定程度「読解力の高い」人たちで、「自分たちより読解力が低い層」の存在が見えていないのでしょう。

そして「読解力の高くない層にも小説を理解してもらうための工夫」に思い至ることもなく、「作品が自分のレベルに合っていない」というだけで下に見るのでしょう。

実際問題、難解なテーマを難解な言葉で語るより、難解なテーマでも平易な言葉で噛み砕いて語る方が、よほど難しく、能力の要ることなのですが…

それに気づけないのもまた、広い意味での「理解度不足」ですので、仕方がありません。
 
一握りのハイスペ層にしか通じない小説より、誰にでも分かる小説を
皆さん、気づいていましたか?

アメリカの大統領選のキャッチフレーズが、日本の英語初心者にも分かる程度の簡単な単語で構成されていることに。

黒人初の大統領として当選したオバマ氏のキャッチフレーズが「Yes we can」、記憶に新しい前大統領トランプ氏は「America first」でしたよね?

なぜ、アメリカという大国のトップを選ぶ選挙で、こんなに易しい言葉が使われているのでしょう?

答えはカンタン。易しい言葉の方が「より多くの人間」に理解されるからです。

選挙とは簡単に言えば「多数決」で人を選ぶ仕組みです。

たとえ難解な言葉で高尚なマニフェストを語れたとしても、それが理解できるのは「ごく少数」の「頭の良い人間」だけ。

それでは「多数決」を制することはできないのです。

小説がヒットする仕組みも同じことだと思いませんか?

ごく一握りのハイスペックな人間にしか理解されない小説では、ごく少数の評価しか得られないのです。

上にも書いたように、難易度を下げることにはリスクも伴います。

しかし知っておいて損はない…どころか、知らずにいると逆に損をしてしまう――そんなスキルだと思っています。



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