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管理人がどうやってオンライン小説サイトを作っていったのか、その実体験によるノウハウや悪戦苦闘の日々をつづるWEB小説制作日記ブログです。 ちょっと変わった独自システム付きのネット小説サイトを運営しています。
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歴史小説を書くために歴史系資料のリサーチが必要なように、小説を書くためには特定のジャンルの知識が必要となることがしばしばあります。
 
しかし「どうやってその知識を調べたら良いのか分からない」という方は多いのではないでしょうか。
 
小説の書き方”についてのノウハウは、その種のハウツー本やネット情報などで時々目にしますが、“資料の調べ方”についてはあまり詳しい情報も無く、自分もこれまで手探りでリサーチしてきました。
 
これまでこのブログ上でも、そんな試行錯誤の資料リサーチについて時々まとめて来ましたが、今回は単に「資料調べの方法」ということではなく、「資料を調べる上で気をつけるべきこと」をまとめていきたいと思います。
 
(あくまで経験上、個人的に「これは気をつけるべきだな」と思ったことをまとめているだけですので、書く小説のジャンルや執筆スタイルによっては参考にならないこともあるかと思いますが、ご了承ください。)
ネット情報を鵜呑みにしない
ネット情報は玉石混交で、何が真実で何が間違った情報か、見分けるのが難しいと言います。
 
なので、ネット上にある情報だけを鵜呑みにせず、その情報が正しいかどうか検証していく必要性があります。
 
見分けるポイントとしては、「信頼性のあるサイトかどうか」「情報源(参考文献など)を記載しているか」「他の人間の情報と照らし合わせて“ウラがとれる”かどうか」等々…。
一番良いのは、紙の本などの参考文献と合わせて読んで真偽を確かめつつ、情報を補完していくことかな、と、個人的には思っています。
 
(「それなら最初から紙の本を読めば良い」と言われそうですが、知識がゼロ状態から欲しい知識の「とっかかり」をつかむのに、ネット検索は結構便利だったりするのです。)
 
同じ著者の本は内容のダブりに注意
紙の本で複数冊の資料を集める時に(金銭的な意味で)注意が必要なのが、「同じ著者が書いた本だと、違うタイトルの本であっても内容が若干カブっていて、損をした気分になる」ことがある、ということです。
 
もちろん、同じ著者であってもテーマを絞って書いていたり、違う視点を持ち込んで書いていたり、他の本では大雑把に書いていたものを詳細に書いている等、内容に差がある場合もあります。
 
ただ、少ない予算でなるべく多くの情報を得たいと考えている場合には、本のタイトルのみならず“著者名”にも注意を払い、なるべく情報がダブらないように注意して資料を集めていくのが良いと思います。
 
(アマチュアだと、参考資料も全て自腹、税制等で優遇される余地もないという苦しい懐事情ですから…。)
 
出版年月による注意
特定のジャンルの資料については、情報の“古さ”が問題となる場合があります。
 
たとえば歴史の知識は、発掘調査で新たな事実が発見されたりすると、それまでの説が覆されることがあります。
 
なので、古本屋で安く売っていたからと言って安易に購入せず、一度「情報の鮮度は大丈夫かな?」と疑ってみる必要があります。
 
…まぁ、疑ってみたところで専門家でもないので、情報が古いのか新しいのか判断がつかないことも多々あるのですが…。
 
複数資料を見比べてウラをとる
困ったことに、世に出回っている本の全てが「正確な情報を書いている」とは限りません
 
同じジャンルの知識であっても、違う著者の本を複数取り寄せて読み比べてみると、情報に食い違いがあることもあります。
 
なので、できることなら1冊の資料本を得ただけで満足せず「これは本当に正確な情報なのだろうか」と一度疑い、他の著者の資料と読み合わせて情報の“ウラをとる”ことが望ましいかと思います。
 
(“同じ著者の”本だと、複数冊を読み比べたところで内容が同じで結局意味が無いので“違う著者の”資料と読み比べる必要があります。)
 
ただ、その“読み比べ”も、読み比べた本が両方とも同じ資料・文献を参照していて、その元となった参考資料・文献自体が誤っていたとしたら意味が無いのですが、そこまでは流石にどうにもできませんね…。
 
著者の“主観”を省いて読む
忠臣蔵で有名な吉良上野介が、地元では名君と伝えられてきたのに、物語では大悪人として描かれているように、歴史や物事にはしばしば尾ひれがついたり脚色されたりして“歪み”が生じます。
 
結局のところ「真実がどうだったのか」は、その時代を生きた関係者にしか分からないことで、後の歴史に描かれているものは、あくまで推察や伝聞や想像でしかありません。
 
対立していた2人の人物、あるいは2つのグループの、どちらが善でどちらが悪だったのかなど、現代に生きる我々には知る由もありませんし、そもそも100%完全な善人も悪人も存在しない以上、答えが出るような問題では無いと思うのです。
 
しかし、人間には「思い入れのある人物の方に肩入れしたい」という気持ちがどうしてもあるようです。
 
歴史資料の著者であっても、おそらくそれは同じで、著書の中で特定の人物を詳細に取り上げ擁護する一方、それに敵対した人物に対してはあまり詳細も語られず、「どうしようもない器の小さな人物」のような印象で書かれている場合がしばしばあります。
 
ですが、それはあくまで著者の主観であり、必ずしも「真実がそうだった」とは限りません。
 
本に書かれているからと言って「へー、そうなんだ」と納得せず、「違う解釈もあるんじゃないかな」と疑ってみた方が、これから自分が書こうとしている物語に深みや厚みが出てくるはずです。
 
…と言うか、既存の物の見方をそのまま引き継ぐだけでは、結局「ありきたり」で「テンプレ」な物語しか書けませんので、むしろ積極的に違う解釈を試みた方が「新しい」物語を書ける可能性が高くなると思います。
 
(とは言え、あまりにも突飛な解釈だと、それはそれで理解されなかったり不評を買ってしまう可能性もあるので難しいところですが…。)


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小説資料をAmazo〇さんなどの大手ネット通販で探す方、結構いらっしゃると思います。
 
しかし通販サイトでの「検索」もなかなか厄介なもので、たとえばイギリス史を調べたい時、タイトルにそのものズバリ「イギリスの歴史」「イギリス史」「英国史」というキーワードが入っている本なら検索結果にすぐ出てくるでしょうが、「薔薇の王朝」などちょっとひねったタイトルにされてしまうと、検索結果に出て来ない場合があります。
 
 
(本の表紙画像にはAmazonアソシエイトを利用しています。)

 
(通販サイトさんはカスタマーの購入情報や傾向などを蓄積しているはずですので、そういったものを分析しているAIの精度が高くなれば、ちょっとひねったタイトルのものでも検索結果に反映される可能性はありますが…。)
 
今回はそんなネット通販サイト(特にAmazo〇さん)での小説資料の探し方(あくまで管理人の経験からの話ですが)まとめていこうと思います。
まずは大雑把なキーワードから
知識を得るために資料を探しているのですから、最初のうちは知識が無くて当然です。
 
まずは漠然としたキーワードから探していくしかありません。
 
ただ検索結果は、ちょっとした単語の違いによって出て来る情報が違ってくることもありますので(たとえば「中世 ヨーロッパ ドレス」と「中世 西洋 服飾」では、同じような意味を持つ単語でも検索結果が異なることが予想されます。(その辺りもAIの精度が進化すれば今後は解消されていくのかも分かりませんが…))、結果に納得がいかない場合には少しずつ単語を変えて検索していくことをオススメします。
 
レビューは星の数より内容に注目
通販サイトさんで本を購入する場合、コメントや星の数を参考にされる方は多いと思います。
 
しかし、特に資料本に関して言えば、星の数はアテにはなりません。
 
なぜなら、そのレビューを書いた方と、今資料を探している当人の「欲しい情報」が同じとは限らないからです。
 
たとえば同じヨーロッパ史の知識であっても、特定の人物の生涯について知りたい人、貴族や爵位などの制度について詳しく知りたい人、食べ物や服飾などの文化について知りたい人など、知りたい情報は皆バラバラです。
 
たとえ、今まさに資料を探しているAさんにとって喉から手が出るほど欲しい情報が載っていたとしても、その商品のレビューをしたBさんにとって有益な情報が全く載っていない本だった場合、その評価が低めになっていたとしても仕方がないことなのです。
 
なので、レビューを見る際には、星の数やレビュアーの主観には惑わされず、コメントの中から「その本にはどんな情報が載っているのか」を見極めることが重要になってきます。
 
「役に立った」「良かった」などの主観的な感想はスルーして、単語などのキーワードからその本に掲載されている情報を推測しましょう。
 
本の詳細ページの下にある情報に注目
たとえばAmazonさんの場合、商品詳細のページへ飛んでいただくと、本の概要などの下に「この商品を買った人は他にこんな商品を買っています」という情報が出ています。
 
これが、同じジャンルの資料本を探す時に結構便利だったりするのです。
 
最初に検索ワードを打ち込んでみて、出てきた結果があまり良いものではなかったとしても、すぐに諦めてしまわずに、まずは1冊でも良いので本を選んで詳細ページへ飛び、下部の情報から別の本を探してみるのも、資料探しの方法の一つです。
 
同じ著者の別の本を探す
たとえばAmazo〇さんの場合、著者名をクリック(タップ)していただくと、その著者の書いた本が一覧となって表示されます。
 
同じ著者さんの書いた別視点からの資料が欲しい場合、あるいは検索結果で出てきた資料に在庫が無くて、似たような別の本を探したい時などにとても役立ちます。
 

 
在庫なしの本は別の形式が出ていないかチェック
資料系の専門書というものは、残念ながら、絶版になってしまったり在庫なしで入手が困難なことも多々あります。
 
そんな時はまず、別形式で同じ内容の本が出ていないかチェックしましょう。
 
たとえば欲しかった本が単行本では絶版になっていても、文庫本としてリニューアルされて出ていたり、電子書籍版が出ている場合もあります。
 
そんな「その他の形式」を探す方法ですが、Amaz〇nさんの場合には、本のタイトル・著者名・星の数の下のあたりに「その他の形式およびエディションを表示する」という項目があります。
 
その文字列をクリック(タップ)すると、他の形式がある場合にはそれが表示されるようになっています。
 
(あるいは「その他の形式および…」の文字列の下に最初から「Kindel版(←Am〇zonさんで帰る電子書籍の形式です。)」「単行本」など、複数の形式とそれぞれの値段が表示されていることもあります。)
 

 
詳細なキーワードをゲットしてから改めて検索する
「最初のうちは大雑把なキーワードから」というのを上の項目で書きましたが、最初のうちは知識が無くて大雑把なキーワードしか出せなくても、レビューを読んだり本の概要を読んだり、あるいはいくつか資料を取り寄せて読むうちに、知識が身について、もっと細かなキーワードが出せるようになります。
 
たとえば最初のうちは漠然と「ヨーロッパのあたりの歴史モノが書きたい」と思っていたとしても、だんだんと「この国の、この時代のことが知りたい」「フランスのロココ朝のあたりがいい!」などというように、調べたいものがだんだんハッキリしてくると思います。
 
そうして広く・大雑把なキーワードではなく、狭く・詳細なキーワードが出せるようになったなら、より資料が絞れるようになります。
 
その新たに得たキーワードを使い、改めて資料探しにチャレンジしてみましょう。
 
参考文献リストから辿る
本の巻末に「参考文献」の一覧が載っていることがあります。
 
これに注目している方、意外と少ないかも知れませんが、実はこれ、資料を探すのに大変役立つ情報なのです。
 
何せ、その本を書くために使った資料の「タイトル」と「著者名」がバッチリ載っているわけですから、その本と同じジャンル・傾向の話を書きたい時には、その情報を検索で打ち込んで探せば良いのです。
 
たとえそれで出てきた情報がパッとしなくても(あるいは在庫が無かったとしても)、上記にあるように関連した本や同じ著者の別の本や、在庫のある別の形式の本を探すことができます。
 
なお作者目線で言うなら、この参考文献リスト、情報源を明かすことにより著作の信頼性を上げたり(←「ちゃんと資料を調べて書いてますよ」という証明になりますので。)、万が一間違った情報を書いてしまった場合にも、それが資料に基づくものだった場合には「自分ではなく参考にした資料の方に誤りがあった」と言えるので、リスク管理にもなります。
 
(残念ながら、専門家の書いた本であっても時には誤りがあります。歴史系資料などは新たな発見がされれば旧説が覆されるのもよくあることですし…。)
 
ちなみに管理人も自分の書いた小説や雑学コラム(←小説の「おまけ」としてその時代に関する雑学コラムを時々載せていたりします。)の参考文献は一覧にして表示しています。
 
紙の本と違ってサイト画面でのリストですので、本の画像をクリックすればそのまま通販サイトさんのページに飛べるという便利仕様です(わざわざ検索画面に文字を打ち込む必要もありません)。
 
参考までに一部を載せておきます。
   ↓ 
<ファンタジー資料のリスト>


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「良い文章とは何だろう?」「文章力があるとは、どういうことだろう?」というのは「小説を書きたい」と思うようになってから、ずっと胸に抱いてきた疑問のひとつです。
 
たとえば、美辞麗句を使いこなせることや、一握りの人間しか知らないような難しい語句を操れることが、文章力の高さなのでしょうか…?
 
確かに、そういったものを“評価”する方もたくさんいることでしょう。
 
しかし自分は必ずしもソレが文章力の高さだとは思っていません。
 
かつては自分も、小説の中にハッとさせられるような美しい言葉、今まで知らなかった難しい言葉を見つけるたびに喜び「この作者さん、すごい」と思っていたことがあります。
 
しかし、中学生の頃には既に「ソレが本当に文章力の高さなのか?」と疑問を抱き始めていました。
 
どんなに美しい言葉を使いこなせても、どれだけ難しい言葉を知っていても、それが一握りの人間にしか理解されず、心に届かないものなのだとしたら、そこに意味はあるのだろうか、と。
 
世の中は徐々に活字離れが進行し、出版不況の影も迫り、自分の周りにも難しい小説や文学作品を読む人間はそれほど多くいませんでした。
 
それが「文章が難しくて理解できないから」「そもそも読む気が起きない文章だから」なのだとしたら、自分はそれを目指すべきではないのではないか、と。
 
ならば、自分が目指すべき文章――本当の文章力とは何なのか…。
 
モヤモヤ考え続けた果てに中学生当時の自分が辿り着いた“一定の結論”は「やさしい言葉で世界のあらゆる物事を説明できること」でした。
 
難しい専門用語を使って難しい理論を説明することなら、たぶん誰にでもできる(と当時の自分は考えていました。←実際にはそれ相応の知識とスキルが無いと厳しいでしょうが…。)――でも、幼稚園児や小学校低学年の子どもにも分かるような言葉でそれを説明することは、誰にでもできることではない――だから自分が目指すべきなのは、たとえばそんな幼稚園児や小学校低学年の子にアインシュタインの相対性理論を“理解”させられるような文章スキルなのだ、と。
 
(“たとえ”の具体例がとんでもなくハードルが高過ぎるので、未だにそこを実現できているとは思えないですが、まぁ、そこはあくまで例のひとつということで…。)
 
そしてソレを目指すために、具体的にどうしたら良いのかを考えました。
 
なまじ難しい単語を知ってしまうと、ついついソレに頼りがちになって「相手がその言葉で本当に理解ができるのか」「どうしたら分かってもらえる文章になるのか」を考えることがおろそかになってしまう気がしていました。
 
だったら「あえて難しい言葉を覚えない」ようにして、「今持っているカンタンな言葉だけを使って“全て”を説明できるよう工夫」してみたらどうなのか……
 
実際、中学校~高校時代の自分は、そうして「あえて自分の中に難しい言葉を入れないように・使わないように」していたことがあります。
 
(でも時々は難しい小説も読んでいた(たとえば高校時代なら遠藤周作さんの「沈黙」とか)ので、覚えようとしなくても勝手に入って来てしまうことはあったかも知れませんが…。)
 
易しい単語しか知らない・使わない、となると「そんなので本当に文章力が上がるのか?」「国語力が落ちるのではないか」と思われる方もいらっしゃるでしょうが――中学時代にそんなことを考えて、難しい言葉をなるべく使わないよう習慣づけていた自分が高校時代に模試で叩き出した国語の最高偏差値が80なので、あながちコレは、それほどひどく“間違った”考えではないと思っています。
 
(ただし、自分の場合は中学生になるまでの間の読書量もそれなりにあって、既にある程度の国語力が身についていたという“前提”があってのことだと思います。誰にでも当てはまることではないと思いますので安易に真似しない方が良いかも知れません…。)
 
ただ、そんな中学生当時の自分の「本当の文章力とは…?」の“答え”と“同じ考え”を持つ人には、今までに出会ったことがありません。
 
それどころか、まだまだ“文章自体の美しさ・技巧・凝った言い回し”が評価され、“やさしい言葉のみで書かれたもの”は評価されないどころか、逆に「文章力が無い」と「ナメられて」しまっているような気がしてなりません。
 
それはたぶん「美しい単語」「難しい単語」が文章の中に“在る”ということは、“目で見て誰にでも分かる”けれど、その文章が「分かりやすい」「心に真っ直ぐ届く」といったことは個人個人の感覚でしかなく、“目には見えない”“ハッキリとは分からない”あるいは“無意識過ぎて気づかれもしない”ことだからだと思います。
 
目に見える“言葉遣い”なら、評価はしやすいですし、その評価を他人とも共有しやすいでしょう。
 
けれど「何となく読みやすい気がする」「何だか妙に心に残る」「やけに心にひっかかる」といった“感覚”は評価にしづらく、他人とも共有しづらいものですし、そもそも本人が意識すらしていないかも知れません。
 
けれど、その「無意識のうちにでも、心に刺さる」ということが、「本当の文章力」なのではないかと、やはり自分は思うのです。
 
美しい言葉遣いや難しい用語を否定するわけではありません。
 
むしろ中学時代よりちょっと不純で小賢しくなった今の自分は「読者にナメられず、スゴイと思わせたいから、ちょっとレアな単語も取り入れよう」なんて思っているくらいですから…。
 
ただ、表面をどれだけ美しく、あるいは珍しく凝ったもので飾れても、それが読み手の心に残らず、一度読めばサラッと流されてしまうようなものでは「せっかく書いても、つまらないな」と思うのです。
 
美しい言葉や難しい言葉をたくさん覚えても、それはあくまで作品を彩る「スパイス」に留めておいて、それを「主」にはしたくないのです。
 
「美しい文章を書こう」「難しい技巧を使いこなそう」と、そればかりに心を囚われてしまっては、言葉を操るべき物書きが、逆に言葉という“道具”に振り回されてしまうような気がしてならないので…。
 
まぁ、文章力が高かろうが低かろうが、結局、小説にとって一番大切な命題は、その文章力を使って「“何を”描くのか」という部分だとは思っているのですが…。

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小説の執筆時間を短くしていくためには、執筆に関わる作業の効率をUPさせ「時短化」していくのが、最も確実な方法です。
 
人それぞれ、執筆の方法も違えば、その効率化に必要なモノもそれぞれ違うと思いますが、今回は参考までに、管理人が独自に行っている執筆作業効率化の方法をいくつか挙げて行きたいと思います。
 

使いやすい道具をそろえる

作業効率というものは、使う道具によってもかなり左右されます
 
たとえば、PCを買い換えてキーボードのキーの間隔が変わったら、文字入力がしづらくなってスピードが落ちた、といったことが実際にあったりします。
 
自分の場合は、下書きはノートにペンで書いていますので、そのペンに関しては、お気に入りの書きやすいものを「まとめ買い」してストックしてあります。
 
(以前はシャーペンで書いていたこともあったのですが、手でこすって文字がにじんだり、服の袖が汚れたりするのが嫌になって、ボールペンに変えました。)
 
ペンも、これまでに何種類か試して試行錯誤した末に今のペンに辿り着いています。
 
インクが多く出過ぎてしまったり、なかなか乾かなかったりするものは、その分、時間を取られてしまいますし、インクがなかなか出ないものだと、何度も書き直したりしてまた逆に時間を取られたり、ストレスが溜まってしまいます。
 
ちなみに現在自分が使っているのはJETSTREAMです。
    ↓

(画像にはAmazonアソシエイトを利用しています。)

普段から情報や資料を集めておく

たとえば歴史小説なら歴史知識、SF小説なら科学知識というように、小説を書くためには、ある程度の“知識”が求められます。
 
「こういうシーンを書きたいけど、この道具を使ってこういうアクションって可能だっけ?」「こういうパーティーのドレスコードって、どうなってるんだろう?」「こういうことを担当してるのって、何て言う職業の人?」等々…、分からないことが出て来てしまうと、その都度、筆が止まってしまいます。
 
そしてそのシーンを書くために必要な知識を、筆が止まってから調べていたのでは、時間がかかって仕方がありません。
 
なので、望ましいのは、小説内で使いそうな知識は、予め、先に集めておくことです。
 
たとえば貴族やメイドや執事が登場する小説が書きたいなら、先に貴族制度やメイド・執事に関する資料を集めて、手が届く場所に置いておき、困った時にサッと取り出せるようにしておく、ということです。
 
資料は、物語を書き始める直前に集めるのも手段の一つとは思いますが、個人的にオススメなのは「常日頃から使えそうな資料は収集しておく」ということです。
 
資料系の本というものは、ベストセラー小説や大ヒット漫画とは違い、発行部数に限りがあります。欲しい本が既に絶版になっていた、ということもしばしばです。
 
なので「ナイスな資料との出会いは一期一会」と思い、本屋や図書館、古本屋などでは常に「何か良い資料が無いかな」と心がけておくと便利かと思います。
 
資料は「本」だけとは限らず、新聞や雑誌の記事などにも時々「使える」ものがあったりしますが、それだとさらに「一度逃すと二度と手に入らない」情報だったりしますので、注意が必要です。

PCに負荷をかけない

パソコンで作業する場合には、パソコンのパフォーマンスに対しても注意が必要です。
 
アプリケーションソフトの中には、サクサク動いてくれる軽いものもあれば、動作にやや時間のかかる重いものもあります。
 
小説執筆のような長時間かかる作業の場合、なるべくサクサク動く軽いアプリを使うのがベターです。
 
「チリも積もれば山となる」で、キータッチに対する反応がいちいち遅いものだと、多少の待ち時間が発生したり、打ったつもりの字が打てていなかったり、誤変換してしまったりで、無駄に時間をとられます。
 
それと、たとえ執筆用のアプリが軽くても、同じパソコンの中に重いセキュリティソフトなどが入っていると、そのせいで動作が遅くなったりします。
 
自分の場合、新旧のパソコン2台を使い、新しい方はセキュリティソフトを入れ、インターネットにも繋がるよう設定した「アップロード用」、古い方はインターネットに一切繋げないオフライン専用の「文字入力専用パソコン」として使っています。
 
…まぁ、これには新しいパソコンのキーボードに、まだ指が慣れていないという理由もあるのですが。
 
あと、以前の記事でも書いたので詳しくは省略しますが、小説投稿サイトさんにオンラインで直接小説を書き込むのは、重いのでオススメしません。
 
それから、時々で良いので、パソコンの「デフラグ」あるいは「ディスク クリーンアップ」などのメンテナンスをすることです。
 
動作の重くなってしまったパソコンも、これでパフォーマンスが改善することがあります。

文章に詰まったら、辞書を引く

執筆に行き詰ってしまるパターンの一つに「文章が上手く書けない」「書きたいシーンを上手く言葉で“表現”できない」というものがあるかと思います。
 
そんな時に自分が行っているルーティーンの一つに「辞書を引く」ということがあります。
 
「書きたい“言葉”が見つからないのに、その言葉を引けるわけがない」と思う方もいらっしゃるでしょうが、これは、その「見つからない言葉を探し当てる」ための作業なのです。
 
まずは「書きたい言葉ドンピシャ」でなくても、「何か違うけど、こんな感じ」とボンヤリ頭に浮かんだ言葉を辞書で引きます。
 
すると、辞書にはその言葉の「意味」が“説明”されています。
 
その“説明文”の中に、探し当てたい「ドンピシャの言葉」のヒントが隠れていることがあるのです。
 
「ボンヤリ頭に浮かんだ言葉その1」からダイレクトにその言葉が見つからなくても、その説明文の中にある「これも似てるけど、ビミョウに違うんだよなぁ」という「似て非なる言葉その2」を次に辞書で引き、さらにその説明文の中から気になる単語を引いていき…といった具合に次々言葉をたどっていけば、そのうちに「この言葉が欲しかった!」という言葉に行き着くことがあります。
 
そうでなくても、辞書を引いているうちに“連想”でその言葉を自然と思いつく、ということもありますし。
 
いずれにせよ、何もせずにウンウンうなっているよりは、ずっと建設的な方法だと思うのです。


…と、だいたいこんな感じです。
 
「地道過ぎる」「こんなの、ほんの少しの時間しか節約できない」と思う方もいらっしゃるでしょうが、こうやって地道にコツコツ時間を節約していくことが、「チリ積」で効率化に繋がっていくのだと、少なくとも自分は思っています。
 
あとは、今までの記事でも書いてきたように「自分なりの執筆メソッドを作る」ことが一番ですね。

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前回小説クオリティーを上げるための「習作」の書き方として、「小説の中の“何か”を意識して書く」ということを挙げましたが、今回はそれとは別の“習作の書き方”を挙げていきたいと思います。
 
それは一言で言ってしまえば「バリエーションを増やす」ということです。
 
たとえば、前回「三人称」で小説を書いたなら、今回は「一人称」で書いてみるだとか、前回が男主人公だったなら、今回は女主人公にしてみる等、これまでにやらなかったことをやって「引き出しを増やす」ことです。
 
中には実際に書いてみて「これ苦手だ、無理だ」と思ってしまうモノもあるでしょう。
 
しかし、もし成功して新たな“得意”を手に入れたなら、それは確実に物書きとしての“財産”になります。
 
自分も実はネット・デビュー当時からこの「バリエーション」を意識していて、実際ネット・デビュー作の2作(「夢の降る島」と「花咲く夜に君の名を呼ぶ」)は、三人称と一人称、コメディ要素あり完全シリアス現代古代、という風にいろいろな面で差異があります。
 
最近、特にその「バリエーション」を意識して書いているのがオムニバス恋愛SS(ショートショート)シリーズの「純恋結晶(まるで純度の高い恋の結晶のような…)」です。
 
SSなので、1作1作が短くて済みますので、習作には「もってこい」ですし、オムニバスなので1作1作で設定を変えられ、バリエーションが増やせます。
 
…で、具体的にどうバリエーションを増やしているかと言うと…
 
まず、1作ごとに奇数回は女性視点、偶数回は男性視点と、主人公が女か男かを入れ替えています。
 
(つまりは同性でも異性でも書けるようになるための“練習”です。)
 
それと「自分」と「相手」の「呼び方」のバリエーション、それに伴う関係性のバリエーションを意識しています。
 
同じ男であっても一人称が「俺」か「僕」かで印象は変わりますし、相手への呼びかけも「お前」「あんた」「あなた」「君」などと変わることにより印象が変化し、また主人公との関係性の印象も変わります。
 
(「お前」だと親しげだとか、「あなた」だと少し遠い感じがするだとか…。)
 
そうして主人公の“性格”に様々なバリエーションを持たせ、関係性を変えることで、描かれる“恋の形”にもバリエーションを持たせようという試みです。
 
「恋」と一口に言っても、片想い、両想い、無意識の恋、失恋、禁断の恋など、その形は様々ですから…。
 
様々な恋の形、そしてそれに伴う主人公の感情を描くということは、自分の物書きとしての可能性を広げてくれるような気がするのです。
 
(とは言え、所詮は同じ人間が書いているモノですので、バリエーションを増やそうとしても、どこか似たりよったりな話になってしまっている可能性は否めないのですが…。)
 
…ただ、この「バリエーションを増やす」ですが、小説スキルをUPさせたり、小説のクオリティーをUPさせるための“習作”としては役立つかも知れませんが、読者のニーズに応えるという点においては逆に「よろしくない」ことかも知れません。
 
「特定のジャンルや特定のシチュエーションしか好きでない」という読者にとっては、バリエーションが多いということは、それだけ「自分の好みでないジャンル・シチュが多い」ということになるでしょうし…。
 
…まぁ、そんなストライク・ゾーンの狭い読者様にも「こういうジャンルもアリかも!」「今まで見向きもしなかったけど、こういうシチュエーションもイイじゃん!」と思わせるような小説がジャンジャン出て来ないことには、特定のジャンルばかりが飽和状態に陥って、何だか小説界全体の未来が暗い気がしてならないので(←個人的に生物学的な観点(?)から、多様性が失われることに過剰な不安を覚えるのです。)いろいろ悩ましいところなのですが…。

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管理人プロフィール
HN(ハンドル・ネーム):
津籠睦月(つごもりむつき)
職業:
社会人(毎日PCを使う仕事。残業も休日出勤も普通にあります。)
趣味:
小説・HP制作、読書、猫と遊ぶこと。
好きな小説ジャンル:
ファンタジー、冒険、恋愛、青春、推理、濃い人間ドラマの展開するモノ。
備考:
漢検2級(準1以上は未受験)。国語の最高偏差値80(高2時点)。

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