管理人がどうやってオンライン小説サイトを作っていったのか、その実体験によるノウハウや悪戦苦闘の日々をつづるWEB小説制作日記ブログです。
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これまで過去記事で「AⅠとコンプライアンス(特に著作権)の問題」を取り上げてきたのですが…
そもそも「コンプライアンス」は「AⅠと創作活動をめぐる問題」のうちの「ごく一部」に過ぎません。
なのに、「その他」どんな問題があるのかを取り上げて来なかったな…というのに気づきまして…
今回はそんな「そもそもAⅠと創作活動をめぐって、どんな問題が発生するのか?」を論点整理していきます。
大きく分けても問題が6つあり、文字数がだいぶ多くなってしまうため、記事(ページ)を1・2に分割しています。
【もくじ】は1・2共通です。
そもそも「コンプライアンス」は「AⅠと創作活動をめぐる問題」のうちの「ごく一部」に過ぎません。
なのに、「その他」どんな問題があるのかを取り上げて来なかったな…というのに気づきまして…
今回はそんな「そもそもAⅠと創作活動をめぐって、どんな問題が発生するのか?」を論点整理していきます。
大きく分けても問題が6つあり、文字数がだいぶ多くなってしまうため、記事(ページ)を1・2に分割しています。
【もくじ】は1・2共通です。
| 過去記事では「コンプライアンス」を広義の「コンプラ」として捉え「モラル」の問題もそこに含めていたのですが、今回は別問題として取り扱います。 あと、個人的にAⅠによるデータ解析(機械学習)を「学習」と呼びたくないという思いがあるのですが(人間の「学習」と混同されてしまいそうなため)… 「学習」という単語が既に浸透してしまっている以上、そこを変えると分かりづらくなってしまいそうなので、仕方なく「学習」という言葉を使わせていただいています。 なお、念のため書かせていただくと、ここにあるものはあくまで「論点」であり、「結論」ではありません。 |
【もくじ】
- コンプライアンス(法令遵守)
- まず「AⅠを積極的に利用したい派」の創作者が陥りがちなのが「我々はAⅠ賛成派だから、AⅠを使って何をしてもいい」という誤解です。
何が「誤解」なのかと言うと「AⅠを利用しようがしなかろうが『法律は守らなければならない』」という、ごく当たり前の事実を忘れてしまっているところです。
さらにはその「法律」も、自分たちにとって都合の良い「説(考察)」や「よその国の判例」「自分たちとは違うケース」を参考にし、それが「自分たちの国」「自分たちのケース」でどうなのかを考えないことです。
当たり前の事実で恐縮ですが…法律というのは国によっても違いますし、細かな状況・条件によって判断が変わってくるものなのです。
さらに言うと、今はAⅠをめぐる法規制の「過渡期」のため、説もルールも変わりやすく、なにかとアテになりません。
それが「合法かどうか」というのは「訴えた側」が判断するものでも「訴えられた側」が判断するものでもありません。
三権分立の「司法」を司る「法の番人」――すなわち「裁判所」が判断するものなのです。
さらに言えば、立法を司る「国会」や、行政を司る「政府」が判断するものでもありません。
立法府の作った法律にそのままGOサインし、行政府の言うことに黙って従うだけが司法府の仕事だと言うなら「三権」を「分立」させている意味がありませんので。
…まぁ、それもあくまで理想論で、そこまで考えて判断してくれる裁判官ばかりとは限りませんが…。
それと、意外と気づいていない人が多そうなのですが…
たとえばそれが「著作権法」でOKだったとしても、その「著作権法」の条文が「憲法」に違反しているとなれば、結局は「違法(違憲)」になります。
「日本国憲法」は、日本国内のあらゆる法律の上位に立つ「法律の中の法律」。
憲法に違反する「法」は、この国に存在できません。
(「尊属殺人罪」など、過去に実際そのパターンで消滅した法があります。)
現状、AⅠの「学習」の根拠となっているのは著作権法なのですが…
そもそも著作権法でこの「AⅠ学習の根拠をめぐる部分」が追加されたのが、AⅠが今ほど進化していなかった頃なのが、自分には気になっています。
つまり「法律自体が“過去の”AⅠ研究を想定していて“現在の”実情に合っていないのでは?」という可能性です。
当時はAⅠが既存の絵にそっくりなものや、本物の写真と見分けのつかない画像を生成する可能性など想定されていなかったのではないか?これほど大規模かつ無分別に著作物を利用する事業者が出て来るなど想定されていなかったのではないか?…というのがありますし。
もしも、過去の想定で作られたこの「追加部分」が、現在の実情に合わせると著作権法「そのもの」を根底から無にしてしまうことになるのだとしたら…それはもう「法の欠陥」ではないでしょうか?
後から追加された「補足部分」が「抜け穴」どころでなく「本体そのものを破壊する」「法の存在自体を無意味にする」のだとしたら…どう考えてもおかしくないですか…?
苦労して法律を作った先人たちに顔向けできない案件じゃないですか…。
なので自分はこの「法的根拠」自体にも疑問の目を向けているのですが…
(少なくとも、著作権法が「何のために存在するのか」「何を守るためにあるのか」については、もう一度真剣に議論する必要があると思っています)
そんな「今後、もしかしたら実情に合わせて変更されるかも知れない著作権法」の代わりに自分が着目しているのが「憲法」です。
そもそも著作権法が「間違っている」にしろそうでないにしろ、その上位に立つ「憲法」を日本国民は無視できないのです。
「AⅠと創作」をめぐる「憲法」のポイントは「個人の権利と公共の福祉をめぐるバランス」そして「法の下の平等」です。
基本的人権や財産権など、国民には「権利」があります。
しかしその権利は無限にあるわけではありません。
欲望のままに犯罪を犯したらいけないように、権利が制限されるボーダーラインが存在します。
その1つが「公共の福祉」。
「皆が幸せに生きられるため」には「個人の権利」をある程度「制限」する必要がある、ということです。
こういう話をすると「0か100か」という極端な物の考え方をする人間が一定数出て来るものですが…
しかしながらコレは「皆のために個人が犠牲になる」という話では決してありません。
「公共の福祉」と「個人の権利」は、どちらかが一方的に犠牲となることがないよう「バランスを取る」のが基本なのです。
(現実には「50:50」という理想的バランスにはなかなかならないのかも知れませんが…個人が一方的に搾取されないよう、様々な「補償」が考えられているものなのです。)
たとえば著作権法に「保護期間」が設けられているのも、個人の権利は守りつつも、それが独占され続けることのないよう、ある程度のところで期限を切り、その後は著作物を「人類の公共財産」として放出するためなのです。
ところが現状の「AⅠ学習」は「個人の権利が一方的に搾取され、一部の最先端技術を扱う企業だけが利益を独占しかねない」という、非常にバランスの悪いものになってしまっています。
(なお、ここで言う権利の中には著作権だけでなく、個人情報やプライバシーも含まれます)
ここで注目して欲しいのが、憲法にも載っている「法の下の平等」です。
一部企業だけが「得」をする状態に「平等性」も何もあるのでしょうか?
しかもその「企業」は、国の機関でも公共団体でもない「営利組織」であり、搾取した権利を使ってお金儲けやユーザー数稼ぎを行っているのです。
その現状で「公共の福祉」も何もあるのでしょうか?
…ただ、問題が複雑なのは、その「企業」が「海外」のものであることが多い…ということです。
さらにはそのAⅠサービスが広くグローバル展開しているため、権利侵害をしてくるのも国内の人間とは限りません。
つまり、何か問題が起きた時、国をまたがった裁判になってしまうことがあるのです。
過去の例を見ると、アメリカのAⅠ事業者を訴えようとしても、アメリカの裁判所はアメリカ独自の「フェアユース」の規定を盾に取り、著作権者の主張を一蹴して来ます。
国内の法律だけでもややこしいのに、さらに海外の法律まで学んで対抗していかなければならないなんて…いくら何でも権利侵害される個人が不利にもほどがありませんか?
なお、このフェアユースを勘違いして「AⅠ学習は全世界的に合法」と思い込んでいる人間がいるかと思いますが…これはあくまで「アメリカ」の話です。
まだAⅠ関連の判例が確定していない「他の国」で同じ論理が通るとは限りません。
まぁ、そのアメリカの「フェアユース」自体、「どこが『フェア』なんだろう?」という疑問はあるのですが…。
(まぁ「公平(フェア)」や「平等」がただの「理想」で、「現実」には個人は大企業や特権階級に搾取されるだけ…というのは「あるある」ですので、べつに驚きはしないのですが…)
…とは言え、過去記事でも語った通り「学習」がそれで許可されたとしても、その先の「生成」や「公開」で著作権侵害をすることは「別問題」で許されないことのはずなのですが(それが罷り通ったら著作権法の存在意義がなくなりますので)…。
ただ、アメリカの場合、そこまで「フェアユース」を言い出しそうで怖いところはありますけど…。
ホワイトハウスの広報で堂々と他国のIP(アニメ等)をほぼ「そのまんま」AⅠ生成しているくらいですし…。
(類似したキャラクターどころではなく、どの作品のどのキャラかハッキリ分かる形で…。)
フェアユースとジャイアニズム(お前のモノは俺のモノ)の境界線って、どこにあるんでしょうね?
<関連記事:【論点整理】AⅠとコンプライアンス(特に著作権)の問題>
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- アイデンティティー(作家性の価値)
- 「創作」とAⅠをめぐる、もう1つの大きなポイントが「クリエイターとしてのアイデンティティー」…すなわち「それはクリエイターの作品と言えるのか?AⅠの作品ではないのか?」ということです。
これはAⅠを「どの程度」使うのかにもよる話なのですが…
そもそも現状ではその「どの程度までならOKか?」というボーダーラインの議論すら、ロクにされていないんですよね…。
「0か100か」の議論のように、少しでもAⅠを使ってしまえばもう「AⅠ作家(作品のクオリティーはAⅠの手柄)」というイメージがついてしまう…そんなリスクさえあるのが、議論なき「今」の現状です。
個人的な意見を言うと「誰がやっても同じ作業」「AⅠ以前も他者に任せていた作業」なら、AⅠにやらせたところで「そのクリエイターのアイデンティティー」は揺らがないと思っています。
たとえば小説やエッセイで言うなら、誤字脱字チェックや校閲・校正作業をAⅠに任せたところで「それはもうAⅠの作品だ!」と言い出す人間などいないことでしょう。
ただ「作家性」に関わる部分をAⅠに任せてしまうのは、だいぶ「アウト寄り」な「それ、もう本人の実力じゃないじゃん」と言われても仕方のないことだと思っています。
たとえば、設定やストーリーを全てAⅠに考えさせ、クリエイターは「矛盾を直したり、細かな修正を加えるだけ」だったとしたら…
それはもう「AⅠが主で人間が従」であり「AⅠの作品を人間が手伝っただけ」ですよね?
たとえ今後、著作権的な意味で「その作品の権利がユーザーの手にある」ことになったとしても…
実力無きクリエイターに「クリエイターとしての価値」はあるのでしょうか?
「どこまでがそのクリエイターの実力なのか分からない(AⅠの性能なのかも知れない)」というのは、仕事を発注する側にとっても、相当悩ましい問題ですよね?
それが「AⅠの性能によるもの」なのだとしたら「発注なんてしないで自分の所でAⅠを利用すれば良い」という話にもなりかねないのですから…。
逆に「AⅠ利用のクリエイター」も、それが「AⅠの性能」だと分かっているなら「AⅠを扱う能力」は認められて別の形で仕事をもらえるかも知れませんよね?
この「AⅠとクリエイターのアイデンティティー」で最も問題なのは、「クリエイターの実力が見えなくなってしまうこと」です。
AⅠとクリエイターとの「境界線」が見えないと、そのクリエイターの「セールスポイント」は何なのか、「実力」はどの程度あるのかが分からなくなります。
…以上のことから、AⅠを利用するなら「どこまで使っているのか(どの部分で使っているのか)」は、必ず明示しておくべき必須の「ポリシー」だと思っているのですが…
そういう「AⅠポリシー」を自ら掲げているクリエイターって、まだまだ全然多くないですよね…。
(まぁ、掲げたところでそれが「真実」とは限らない、という問題(実力偽装の可能性)もありますが…)
個人的には「業界」の方でも、AⅠの使用割合に応じて「原作者」「原案者」「プロンプト制作者」といった風に「肩書」を呼び分ける必要があるのではないかと思っているのですが…
そういう議論も、おそらくまだ全然進んでいませんよね…?
この「呼び分け」ができないと、絵が描けないAⅠマンガ家(原作だけ書き、絵はAⅠ任せ)に「マンガ(絵)の描き方教室」の仕事を持ちかけてしまったり、逆にストーリー(原作)をAⅠに任せているマンガ家に「ストーリーの作り方教室」の仕事を頼んでしまう等、おかしな事態が発生しかねないわけですが…。
「どのラインで肩書を変えるのか」あるいは「どこまでAⅠ使用を許すのか」といった「ボーダーライン決め」は、どの業界においても業務の都合上、「当然」必要な議論のはずです。
そしてここで注意しなければいけないのが「そのラインを決めるのはクリエイター自身ではない」ということです。
上の「コンプライアンス」の所でも書いていますが…
個々のクリエイターが勝手に「ここまでならいいだろう」と決めた「ライン」が、業界全体あるいは読者・視聴者に「認められるとは限らない」のです。
さらに言うと、その「ライン」はおそらく未だ議論の俎上にも上がっていません。
自分で決めた「ライン」が、将来的に「ルール違反」になる可能性もあるのです。
「将来ルール違反になるとしても、ルールが決まる前に創ったやつなら構わないだろう」と考える人もいるかも知れませんが…
ドラマ等のコンテンツでも、過去に作られたコンプラ違反の作品って、もう放送できずに「お蔵入り」になっているケース、多いですよね。
コンプラが厳しくなる前に作られたバラエティ番組が、令和になってからネットで拡散されて炎上した…なんて事例もあります。
世間のルールを破るということは、それほどに問題で、慎重にならなければいけないことなのです。
さらに、「AⅠ利用クリエイター」にはもう1つ、気をつけなければならない重要なポイントがあります。
それは「世間は物事を『白か黒か』でしか見ない」ということです。
全ての人間がそう、というわけではありませんが…人間は物事を「単純」に見たがる節があります。
たとえば「AⅠ利用クリエイター」なら、それが「どの程度までAⅠを使っているのか?」など考えずに「完全にAⅠだけで作っている」と勘違いしてしまったり…
さらには「AⅠとコンプライアンス」の問題を持ち出して「AⅠ利用クリエイター=著作権法違反者」というレッテルを貼ったりしてきます。
「AⅠ利用」や「AⅠとコンプライアンス」は、白か黒かを完全に分けられるものではなく、90%グレーやら10%グレーやら、様々なグラデーションがあり得るものなのですが…そんなことは、AⅠ創作に興味の無い世間一般の人には分からないことです。
「AⅠ利用クリエイター」は、まずそこの「疑いの目」を晴らし、自らのブランドイメージを守る必要もあるのです。
(もちろん、コンプラをちゃんと守るのは前提条件です)
クリエイターのアイデンティティーは、将来の仕事の有無を左右する大問題です。
ラクだからと安易に利用を決めず「どこまでなら自分の実力を証明できるだろうか」「どうすればコンプラ違反を犯していないことを分かってもらえるだろうか」を常に考えた上で、利用の有無あるいは利用範囲を決めていかなければならないのです。
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- オリジナリティー(競合に勝つ独自性)
- 「AⅠとオリジナリティー」には、大きく分けて2つの問題が存在します。
まず1つは「AⅠ学習によってオリジナリティーを盗まれる」リスクです。
才能あるクリエイターの「オリジナリティー」は、他と差をつけ人目を惹く「武器」です。
ですが、AⅠによる無断学習でそれをデータ解析され、模倣物を作られてしまったなら…
「オリジナル」の稀少性はなくなり、そのクリエイターの将来性が奪われることになります。
もう1つは「AⅠ作品のオリジナリティーの無さ」です。
AⅠは「既にある誰かの作品」をデータ解析し、その膨大なデータを抽出したり組み合わせたりしながら、文章や画像等を出力します。
つまり「アレンジは加えてあっても元の作品が存在する」ということなのです。
それがどの程度の類似性を持ったものなのか…それは、AⅠが元データを開示してくれない限りは調べようもありません。
既存の作品とそっくりな作品を出せば、パクリと言われて炎上します。
これは著作権がどうこうの以前に「クリエイターとしての倫理」や「アイデンティティー(作家性)」の問題です。
普通、人間のクリエイターであれば「パクリにならないよう、何とか自分のオリジナリティーを出そう」と努力するものですが…
そもそもAⅠには「パクリを生み出してはいけない」という分別自体がありません。
そもそもパクリの何がアウトなのか、どこをどう真似したらいけないのか、そこからして分別が無いので、たとえプロンプトで「パクリはしないで」と言ったところで無理なのです。
さらに言えば「元がある」ということは「独自性を生み出せない」「既視感を超えられない」――つまり「どこかで見た気がする」と思われてしまうリスクが高いのです。
創作分野のみならず、世のビジネスの基本は「真似のできない差別化で他者との競争に勝つ」こと。
そもそもが「真似」の作品を武器にして、どう他者との差別化を図っていけば良いのでしょう?
さらに言えばその武器も「自分だけが与えられたもの」などではありません。
AⅠは命令されれば誰にでも「作品」を与えます。
あなたが受け取った作品と同等レベルの作品を、他のユーザーにも与えている可能性は高いのです。
AⅠ作品が世に溢れるということは「どんぐりの背比べのレベルが異常に上がってしまった」というだけのこと。
それで誰かが「勝ち抜ける」というものではなく、世の中が「何だか見たことがある」もので溢れ、高度なレベルで「平均化」されるだけのことなのです。
むしろ世の中からは「個性」や「オリジナリティー」が消え「何だかつまらない」ものになってしまう可能性が高いのです。
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