管理人がどうやってオンライン小説サイトを作っていったのか、その実体験によるノウハウや悪戦苦闘の日々をつづるWEB小説制作日記ブログです。
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「昔から計画を立てるのが苦手」「夏休みの宿題を上手くこなすことができず、終わり間際にいつもあわてていた」という方、小説を書くにあたっても何だかダラダラと時間をかけてしまい、思うようなスピードで上がらない…ということがありませんか?
今回はそういう方向けの執筆スケジュールの管理方法をまとめていきたいと思います。
小説執筆スケジュールということで書いていますが、応用次第では小説以外のスケジュール管理にも使えるかと思います。
それとこれはあくまで「小説を書く意欲はあるけど上手くスケジューリングできない人」向けであって「小説を書く意欲がなかなか湧かなくて書けなくなってしまった人」向けの対策ではありませんので、あしからず。
以下はあくまで個人の意見であり、人によりベストなやり方は違ってくると思いますので、参考程度にご覧ください。
今回はそういう方向けの執筆スケジュールの管理方法をまとめていきたいと思います。
小説執筆スケジュールということで書いていますが、応用次第では小説以外のスケジュール管理にも使えるかと思います。
それとこれはあくまで「小説を書く意欲はあるけど上手くスケジューリングできない人」向けであって「小説を書く意欲がなかなか湧かなくて書けなくなってしまった人」向けの対策ではありませんので、あしからず。
以下はあくまで個人の意見であり、人によりベストなやり方は違ってくると思いますので、参考程度にご覧ください。
- 1.新しいスケジュール帳を1冊用意する
- まず最初に、新しいスケジュール帳(手帳)を1冊用意します。
既にスケジュール帳をお持ちという方でも、「小説執筆用」のスケジュール帳を別に1冊用意してみてください。
月間カレンダーの載っているもので、できればスケジュールを書き込める余白が大きいものが良いです。
最近は100円均一ショップでも売っていますし、月間カレンダーさえ載っていれば卓上カレンダーでも何でも構いません。
(ただし書き込みできる余白があることは必須。)
- 2.今までのやり方で小説を書き、記録する
- 買ったスケジュール帳に書き込むもの――それは「これから」書き進める小説の執筆予定ではありません。
そもそも計画が立てられなかったり、立てても上手く守れないのが「計画性の無い人」なのですから、それをやっても意味はありません。
書き込むのは「今日何をやったのか」です。
文章で書く必要はありませんが、内容はなるべく具体的に「小説タイトル」「何章」「何段落」を書いたのか、といったことを、それをやった日付の部分に書き込んでいきます。
スケジュール帳は書き込みできる部分がそれほど大きくないですし、当人が後で読んで分かれば良いものなので、小説タイトルなどは略して構いません。
何だったら「この小説にはこのシール」という種類を決めて、スケジュールシールを貼っていくのでも構いません。
(ちなみに自分はpixivさんで「選帝のアリス」という小説を連載しているのですが、その小説の作業をこなした日には分かりやすく不思議の国のアリスのシール(無い場合には近いところでディズニープリンセスのシール)を貼っています。小説タイトルからの連想でシールの種類を決めると後々管理がしやすいのでオススメです。)
また、ただ単に小説執筆のみならず「資料調べをした」「PCで清書をした」「投稿サイトにUPした」などの情報もなるべく書き込んでいきます。
(月間カレンダーだけで余白が足りなさそうな方は、あらかじめ週間カレンダーも載っているスケジュール帳を選んでおいて、書き切れなかった部分はそちらに書いていくと良いです。)
- 3.書き込んだ内容を後で読み返す
- あとは、折に触れてスケジュール帳に書き込んだ内容を読み返すだけです。
(書き込む際にスケジュール帳を開くので、自然と目にすることになると思いますが…。)
これで何が変わるかと言うと、まず1つは「自分の執筆ペースが“見える化”できる」ということです。
自分がこれまで、どんな小説をどんな期間でどんな分量仕上げてきたのかが一目瞭然になります。
(これをより見やすくするために、週間カレンダーではなく月間カレンダーのあるスケジュール帳の方が良いのです。)
さらにそうやって自分の執筆ペースを確認しつつ「この時はちょっとキツキツだったな」「ここはもっと頑張れたんじゃないかな」とペースを見直し、微調整していくこともできます。
作業ごとに細分化して書き込んでいけば、自分がどんな作業に時間をとられ、どんな作業はサクサク進められるかも把握できるようになるのではないかと思います。
もう1つの効能として、自分のやったことを目に見える形で記録することにより「執筆のモチベーションが上がる(保てる)」ということがあります。
作者や作品の認知度の低い状態では読者様の数も少なく、リアクションも無く、「モチベーションが維持できない」という状況に陥りがちです。
そんな時、スケジュール帳に「自分が今までどれだけのことをやってきたのか」目に見える記録が残っていれば、「今までこれだけやってきたんだ。もう少し頑張ってみよう」という気になれたりするものです。
それと1つ何かをしたらスケジュール帳に1つシールを貼るという習慣をつけておけば「ごほうびシール」のような感覚で、それだけでほんのりモチベーションが上がることもあります。
(関連記事>執筆中のモチベーションを維持する。)
・小説を書く時間の作り方
<過去記事一覧(サイトマップ)はコチラ>
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「小説だけで食べていける人間」でもない限り、「どうやって小説を書く時間を確保するのか」は重要な問題となってきます。
特に、時間に自由のきかない社会人の身では、小説のためにまとまった時間を確保するのは至難の業です。
そんなわけで今回は「小説を書く時間のひねり出し方」をまとめていきたいと思います。
(ちなみに自分は平日は普通に残業、土曜出勤もそれなりにあり、時には日曜出勤でさえある社会人です。)
たとえ同じ社会人であっても置かれている環境は人それぞれでしょうし、全ての人に通用するかどうかは分かりませんが、参考までにご覧ください。
特に、時間に自由のきかない社会人の身では、小説のためにまとまった時間を確保するのは至難の業です。
そんなわけで今回は「小説を書く時間のひねり出し方」をまとめていきたいと思います。
(ちなみに自分は平日は普通に残業、土曜出勤もそれなりにあり、時には日曜出勤でさえある社会人です。)
たとえ同じ社会人であっても置かれている環境は人それぞれでしょうし、全ての人に通用するかどうかは分かりませんが、参考までにご覧ください。
- 執筆作業の細分化
- 本業が忙しい人間にとって問題なのは「自由時間がコマ切れになってしまっていて、まとまった時間がとれない」ことだと思います。
まとまった時間が無ければ小説が書けないようでは、この時点で小説執筆不可能状態に陥ってしまいます。
時間がコマ切れでしかとれないなら、執筆作業自体を細分化し、少ない時間でこなしていけるようにしていかなければいけません。
「執筆作業」と一口に言っても、その中には「資料調べ」「アイディア出し(ネタ出し)」「プロット作り」「本文の執筆」「推敲作業」など様々な作業がミックスされています。
そんなひとつひとつの作業をバラバラに分け、できる限り細かくすることによって、スキマ時間で作業できるようにしていけば良いのです。
「資料調べ」ひとつをとっても、「とりあえず通勤時間の片道分を使って、小説で出したい歴史的人物の1人についてスマホでネット検索する」「帰宅した後の1時間を使って、今日はこの参考文献のこの章を読み込む」など、1回で調べる項目・手段を絞っていけば、ちょっとした時間でも作業をこなすことができます。
大切なのは、実際に作業にとりかかる前に「この小説を完成させるまでには、どんな作業がどれだけ必要か」を考え、それをどういうスケジュールでこなすのか計画を立てることです。
もちろん、先にスケジュールを立てたところで、急に残業や出勤が増えて計画通りにいかないことは多々あります。
それでも何も考えずに無計画にダラダラと作業を進めるよりは、ある程度のスケジュールが先にあった方が執筆作業は進みやすいです。
- 執筆作業の効率化
- 少ない時間で小説を書いていくには、執筆作業を効率化させ「時短化」していくことも重要です。
詳細については以前このブログでも書きましたので省きますが、精神論ではなく「物理的に」作業効率を上げ、時間を節約していけば、その分時間を有効に使えます。
(関連記事>執筆作業の効率化)
- その日のコンディションに合わせた作業の割り振り
- 仕事で疲れた日などは、頭があまり働かず、上手い文章が思いつかなかったり、アイディアが出て来なかったりすることがあります。
そんな時自分は「頭が疲れていてもできる単純作業」を進めることにしています。
たとえばノートに下書きした本文をPCで清書する作業ですとか、調べた資料の重要項目をノートに書き写す作業ですとか、既にできている文章の単語や漢字のチェックなどです。
脳にはコンディションによって、創造的(クリエイティブ)な作業がしやすい日もあれば、そういうことが全くできない日もあります。
良いアイディアが出て来ないのに小説の続きを書こうとして延々とPC(あるいは紙)の前で固まっていても時間の無駄です。
脳が上手く働かないことに気づいたら、潔く別の作業に移るか、脳を休め回復させることに努めた方が、時間は有意義に使えるはずです。
- 執筆作業のマニュアル化
- 時間を効率的に使うには「途中で筆が止まらないようにすること」「途中で悩んだり、スランプになっても、すぐに復活できること」が重要です。
そのためには「自分にとって一番やりやすい“小説の書き方”」をマニュアル化しておくことです。
このブログでも以前からちょこちょこ書いているので、具体的な方法は関連記事を参考にしてみてください。
(関連記事>自分なりのメソッドを作ってスランプ予防/ストーリー展開に行き詰ったら分岐点に戻って練り直す。)
<関連記事>
小説を書く上で「オリジナリティー」を、どうやって出せば良いのか…。
個人的に思っていることを、思考の整理がてら書いていこうという試みのパート2です。
あくまで個人の意見ですので、参考程度にご覧ください。
個人的に思っていることを、思考の整理がてら書いていこうという試みのパート2です。
あくまで個人の意見ですので、参考程度にご覧ください。
- 今までにない組み合わせによる化学変化を狙う
- 今までにたくさん描かれてきた珍しくない設定・世界観でも、組み合わせ次第で「目新しさ」を出すことはできます。
たとえば、古代ローマと現代日本のお風呂文化を組み合わせみたり…
(本や資料の表紙画像にはAmazonアソシエイトを利用しています。)
たとえば、猫とホストクラブを組み合わせみたり…
たとえば、戦国時代の足軽と女子高生を組み合わせてみたり…
つまりは「今までにない組み合わせ」を出せば良いのです。
…まぁ、その「今までにない組み合わせ」のアイディアを思いつくこと自体が難しい、というのはあるのですが…。
- 違う角度から光を当ててみよう
- たとえば、同じストーリーであっても、主人公や語り手を変えるだけで物語の印象は変わります。
また「何をテーマにするか」「何に注目するか」によって、同じ時代を描いていても「これまでにない」作品を作ることはできます。
たとえば、江戸時代の武士を家計のやりくりに注目して描いた「武士の家計簿」
あるいは、日々の献立に注目して描いた「武士の献立」…
(最近では、忠臣蔵をお金のやりくりの面から切り取った「決算!忠臣蔵」なんて映画もありましたね。)
これまでに散々描かれてきたような時代・世界観であっても、どこに光を当てるか、どう切り取るか次第でオリジナリティーを出すことができるのです。
- 究極のオリジナリティーは当人の人生から生まれる
- 「オリジナリティーの出し方1」で、「人間は“他者の創った何か”の影響をどうしても受けているから、多少のカブりは避けられない」ということを書きました。
今回挙げた「今までにない組み合わせ」にしても、組み合わせるために持っている“材料”が他の人間と変わらないなら、結局はカブってしまう可能性がないわけではありません。
誰ともカブらない究極のオリジナリティーとは何なのか…それはきっと「その人しか経験したことのない出来事」から生まれるのではないかと思うのです。
この世界で他の誰も知らない、自分だけが知っていること――それは単に“体験”だけを言うのではなく“感覚”や“感情”についても言えることです。
同じものを見ても、同じような人生イベントを経験しても、人それぞれ感じること・思うことは違います。
そんな感覚の違い・感性の違いは、キャラクターの心情描写や台詞回し、あるいは物語のテーマなどに反映され、その物語にしかない“個性”を生みます。
人生の中でふと「これって自分だけが思っていることなんじゃないか」「他にこんなこと考えている人いないんじゃないか」という“何か”を見つけたなら、それを自分の描く物語に上手く活かせないか考えてみてください。
最近はラノベやアニメの世界でも、背景に哲学的な“何か”が流れているものや、人生や思春期の“悩み・迷い・葛藤”などが描かれたものが多々あります。
上手くエンタメに昇華させなければ「ただ重苦しく暗いだけのもの」「理解しづらく難しいもの」になってしまうリスクもありますが、上手く物語化することができたなら他作品との差別化はもちろん、物語自体の質をも高めることができるはずです。
<過去記事一覧(サイトマップ)はコチラ>
この世の中、ネット小説もその他のエンタメ作品も星の数ほどあります。
そんな中で埋もれずに読者様に「選んで」もらうためには「その作品にしかない魅力」「個性」「オリジナリティー」を出していく必要があると思います。
…とは言え、実際そんな「オリジナリティー」を、どうやって出せば良いのか…。
自分自身、答えをつかめているとは言いきれませんが、何となく思っていることはあるので、思考の整理がてら書いていこうと思います。
(長くなりそうなので、2~3回くらいに分けて書いていこうかと思います。)
あくまで個人の意見ですので、参考程度にご覧ください。
そんな中で埋もれずに読者様に「選んで」もらうためには「その作品にしかない魅力」「個性」「オリジナリティー」を出していく必要があると思います。
…とは言え、実際そんな「オリジナリティー」を、どうやって出せば良いのか…。
自分自身、答えをつかめているとは言いきれませんが、何となく思っていることはあるので、思考の整理がてら書いていこうと思います。
(長くなりそうなので、2~3回くらいに分けて書いていこうかと思います。)
あくまで個人の意見ですので、参考程度にご覧ください。
- 多少の“カブり”は避けられない運命
- 最初に言っておきますが、既存のどの作品とも一切カブらない完全なる“オリジナル”作品を創ることは、「生まれてから今までずっと世界から隔離されて生きて来た」という人間でもない限り不可能です。
人間は、人格を育てていく過程で必ず「他者の創った何か」の影響を受けています。
物心ついてから今までの間に見聞きしてきたTV番組、映画、ネット動画、本――そういったものたちが、知らず知らずのうちに、その人の「趣味」や「好み」「センス」などを育てているのです。
なので、同じ時代に同じような境遇で、同じモノを見聞きして育った人間同士が創った作品なら、知らず知らずのうちに似たものになったとしても、全く不思議ではありません。
また、エンタメ界にはその時代その時代の“流行”や“空気”があったりしますので、そんな流行や空気を「読んで」作品を創ったなら、やはり「同時代に似たような作品が量産される」という現象は避けられないでしょう。
なので「オリジナリティーを出したいから他作品とのカブりは絶対NG」とギチギチに考える必要はないと思います。
大切なのは、多少のカブりは避けられないと悟った上で、「どこでオリジナリティーを出すのか」「どんなオリジナリティーを出すのか」です。
さらに言えば「自分だけのオリジナルだと思って出したアイディアだけど、無意識のうちに既存作品の影響を受けているかも知れない」という視点を持って自作品を見つめ直すことができれば、「カブり」を排除して「オリジナリティー」を高めていけるようになると思います。
- マイナーを狙おう
- てっとり早くオリジナリティーを出す方法――それは、メジャーな題材・素材を避け、知る人ぞ知るマイナーなものを狙うことです。
歌舞伎、落語、筝曲、競技かるた…あるいは北欧のバイキングや北海道のアイヌ…等々、これまでにあまり描かれたことのない世界や時代を描く作品がポッと現れると「おぉっ」「珍しい」と興味を惹かれたりしますよね?
「珍しさ」は分かりやすい「個性」であり「独自性」です。
しかし、必ずしもそれが成功するとは限りません。
マイナーなものはその分、資料も少なかったりしますし、リサーチなどの事前準備に苦労する羽目になります。
それに、メジャーなものは、そもそも人気があるから「メジャー」なのです。
逆にマイナーなものは、それまで人から興味を持たれていなかったからこそ「知る人ぞ知る」状態で埋もれていたわけです。
なので、マイナーなものをただそのまま描いても「地味でつまらない」と思われてしまう危険があります。
それを克服するために必要なのは「魅せ方の工夫」です。
それまであまり知られていなかった――つまり、読み手にとって「未知」なるモノを、分かりやすく紹介し、さらに魅力を感じてもらうための“工夫”です。
…そもそもその“工夫”が難しい、というのはあるのですが…それができないとマイナー狙いはリスクが高いので、避けた方が良いかも知れません。
関連記事>オリジナリティーの出し方2
<過去記事一覧(サイトマップ)はコチラ>
「日本史の人物名は漢字ばかりで難しいけど、ヨーロッパの歴史ならカタカナ名前ばかりで簡単」…こんなことを考えている方、いらっしゃいませんか?
ところがヨーロッパ史にはヨーロッパ史で、非常にややこしくて面倒臭い問題があります。
まず1つは「同じ名前の人物が多過ぎる」問題です。
元々ヨーロッパは伝統的な名前を使いたがる傾向にありますので、ファーストネームが同じ人物は同じ時代でも山ほどいます。
(対立する2人の女性が両方とも同じ「マティルダ」という名前だったりして「今読んでいるのはどっちのマティルダのこと?」と頭が混乱するケースもあります。)
さらに悪いことに、息子(特に長男)に父親と同じ名を付けたり、娘(特に長女)に母親と同じ名を付けたりすることも多く、結果、同姓同名の人物も結構いるのです。
(中には三代続けて同姓同名という、ややこしいにもほどがあるケースもあったりします。しかも爵位まで同じとなると「初代」「○代」などで区別するしかありません。)
大概の場合には身分やファミリー・ネームなどで区別してくれていますが、それでも同じ時代に同じ名前で似たような身分の人物がいたりすると、どれが誰のことなのか、かなり混乱する羽目になります。
たとえば、エリザベス1世の姉メアリー1世の時代には「クイーン・メアリー」と呼べる女性が4人いました。
1人はイングランド女王メアリー1世のことですが、2人目は同じ時代にスコットランドの女王だったメアリー・ステュアート、そして3人目は元フランス王妃でヘンリー8世の妹(メアリー1世の叔母にあたる)メアリー・テューダー、そして4人目はスコットランドの元王妃メアリー・オブ・ボーズです。
3人目と4人目のクイーン・メアリーに関しては、あまり歴史の重大事件に関わってきませんので問題ないのですが、1人目と2人目のクイーン・メアリーに関しては、国は違えど同じ“女王”である上、両者ともエリザベス1世との確執があり彼女とのエピソードがいろいろありますので、気をつけて資料を読まないと混乱します。
この問題は、できることなら資料を色分けするなり分かりやすく区別するなりして、とにかく人物を混同しないよう気をつけていくしかありません。
(資料を読んでいる“その瞬間”はちゃんと区別できていても、時が経つうちに記憶の中で混同するケースもあるので、実際に小説に書く際に改めて確認するとなお良いでしょう。)
2つ目が「国が変われば名前が変わる」問題です。
マリー・アントワネットはフランスでは「マリー・アントワネット」ですが、祖国オーストリアでは「マリア・アントーニア」(正式名称はもっと長いですが)でした。
その他、ポルトガルの王女「カタリナ」がイギリスに嫁ぎ王妃となってからは「キャサリン」と呼ばれる等、人物名は国をまたぐと微妙に変化しますので、そのあたりも注意が必要です。
(ただ、その辺の名前の変化をどうするかは作者の考え方次第ではあります。「ベルサイユのばら」のように、読者の混乱を避けるために結婚前の少女時代も物語内での呼び名は「マリー・アントワネット」の名で通している作品もありますし…。)
さらに言えば、宗教を変えたことにより洗礼名がついて名前が変わる、などというパターンもあります。
(ロシアの女帝として有名なエカテリーナも洗礼により名前が変わったパターンです。)
それと3つ目にややこしいのが「国際結婚が多過ぎて系図が複雑過ぎる」問題です。
ヨーロッパでは王女が他国の王族に嫁ぐケースが非常に多くあります。
これは単に政略のためというだけでなく、自国で王家の血が絶えた時の“保険”でもありました。
他国の王族であっても、何代か前に自国の王女が嫁いでいれば、そこには自国の王家の“血”が流れています。
実際にイギリス王家などでも、そうやって王家の血が絶えた時(絶えそうな時)に他国から後継者を連れてきたケースがあります。
(日本の武家などでは、子がなければ養子をもらって家を存続させるというケースが多々ありますが、ヨーロッパでは“血”が重視されるため、血縁の無い他家から養子をもらって後を継がせるというケースはありません。)
そうなって来ると、自然と系図が入り混じり、非常にややこしいことになって来ます。
たとえば「イギリスの王様なのに生まれ育ちがイギリス以外の“外国人”」などという複雑な事情も発生してきたりします。
そうなると「イギリスの話なのに、その王様の幼少期をじっくり描こうとすれば、他の国の歴史・王家の系図も調べなければいけない」という羽目になってくるのです…。
こんな感じで、西洋史には西洋史ならではの「ややこしさ」があります。
本格的に西洋が舞台の歴史モノを書きたいという方は、その辺り、注意と覚悟が必要かも知れません。
ところがヨーロッパ史にはヨーロッパ史で、非常にややこしくて面倒臭い問題があります。
まず1つは「同じ名前の人物が多過ぎる」問題です。
元々ヨーロッパは伝統的な名前を使いたがる傾向にありますので、ファーストネームが同じ人物は同じ時代でも山ほどいます。
(対立する2人の女性が両方とも同じ「マティルダ」という名前だったりして「今読んでいるのはどっちのマティルダのこと?」と頭が混乱するケースもあります。)
さらに悪いことに、息子(特に長男)に父親と同じ名を付けたり、娘(特に長女)に母親と同じ名を付けたりすることも多く、結果、同姓同名の人物も結構いるのです。
(中には三代続けて同姓同名という、ややこしいにもほどがあるケースもあったりします。しかも爵位まで同じとなると「初代」「○代」などで区別するしかありません。)
大概の場合には身分やファミリー・ネームなどで区別してくれていますが、それでも同じ時代に同じ名前で似たような身分の人物がいたりすると、どれが誰のことなのか、かなり混乱する羽目になります。
たとえば、エリザベス1世の姉メアリー1世の時代には「クイーン・メアリー」と呼べる女性が4人いました。
1人はイングランド女王メアリー1世のことですが、2人目は同じ時代にスコットランドの女王だったメアリー・ステュアート、そして3人目は元フランス王妃でヘンリー8世の妹(メアリー1世の叔母にあたる)メアリー・テューダー、そして4人目はスコットランドの元王妃メアリー・オブ・ボーズです。
3人目と4人目のクイーン・メアリーに関しては、あまり歴史の重大事件に関わってきませんので問題ないのですが、1人目と2人目のクイーン・メアリーに関しては、国は違えど同じ“女王”である上、両者ともエリザベス1世との確執があり彼女とのエピソードがいろいろありますので、気をつけて資料を読まないと混乱します。
この問題は、できることなら資料を色分けするなり分かりやすく区別するなりして、とにかく人物を混同しないよう気をつけていくしかありません。
(資料を読んでいる“その瞬間”はちゃんと区別できていても、時が経つうちに記憶の中で混同するケースもあるので、実際に小説に書く際に改めて確認するとなお良いでしょう。)
2つ目が「国が変われば名前が変わる」問題です。
マリー・アントワネットはフランスでは「マリー・アントワネット」ですが、祖国オーストリアでは「マリア・アントーニア」(正式名称はもっと長いですが)でした。
その他、ポルトガルの王女「カタリナ」がイギリスに嫁ぎ王妃となってからは「キャサリン」と呼ばれる等、人物名は国をまたぐと微妙に変化しますので、そのあたりも注意が必要です。
(ただ、その辺の名前の変化をどうするかは作者の考え方次第ではあります。「ベルサイユのばら」のように、読者の混乱を避けるために結婚前の少女時代も物語内での呼び名は「マリー・アントワネット」の名で通している作品もありますし…。)
さらに言えば、宗教を変えたことにより洗礼名がついて名前が変わる、などというパターンもあります。
(ロシアの女帝として有名なエカテリーナも洗礼により名前が変わったパターンです。)
それと3つ目にややこしいのが「国際結婚が多過ぎて系図が複雑過ぎる」問題です。
ヨーロッパでは王女が他国の王族に嫁ぐケースが非常に多くあります。
これは単に政略のためというだけでなく、自国で王家の血が絶えた時の“保険”でもありました。
他国の王族であっても、何代か前に自国の王女が嫁いでいれば、そこには自国の王家の“血”が流れています。
実際にイギリス王家などでも、そうやって王家の血が絶えた時(絶えそうな時)に他国から後継者を連れてきたケースがあります。
(日本の武家などでは、子がなければ養子をもらって家を存続させるというケースが多々ありますが、ヨーロッパでは“血”が重視されるため、血縁の無い他家から養子をもらって後を継がせるというケースはありません。)
そうなって来ると、自然と系図が入り混じり、非常にややこしいことになって来ます。
たとえば「イギリスの王様なのに生まれ育ちがイギリス以外の“外国人”」などという複雑な事情も発生してきたりします。
そうなると「イギリスの話なのに、その王様の幼少期をじっくり描こうとすれば、他の国の歴史・王家の系図も調べなければいけない」という羽目になってくるのです…。
こんな感じで、西洋史には西洋史ならではの「ややこしさ」があります。
本格的に西洋が舞台の歴史モノを書きたいという方は、その辺り、注意と覚悟が必要かも知れません。
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