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管理人がどうやってオンライン小説サイトを作っていったのか、その実体験によるノウハウや悪戦苦闘の日々をつづるWEB小説制作日記ブログです。 ちょっと変わった独自システム付きのネット小説サイトを運営しています。
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不特定多数の人々へ向けて小説を“発信”する上で問題となってくることの一つが「読者のニーズにどう応えるのか」「読者の“求めているもの”と作者の“書きたいもの”との折り合いをどうつけていくのか」ということです。

もちろん「人気なんてどうでもいいや」「これは自分のためだけに書いている小説なんだ!」ということであれば読者のニーズを考える必要も無く、ただひたすらに自分の書きたいものだけを追求していけば良いわけです。

しかし「誰かに読んでもらいたい」「人気が欲しい」のであれば「読者がどんな小説を求めているか」を考えることが重要になってきます。

ただし「読者のニーズ」や「小説の中で今一番人気のあるジャンル」が、必ずしも作者の書きたいものと同じとは限りません。
また、書くには書けても「上手くは書けない」不得意な分野だったり、好きな分野ではないので「モチベーションが上がらない」という問題が発生してくる可能性もあります。

そういった問題もひっくるめて、では、実際どうしたら良いのか…方法は、いくつか考えられます。

まず一つは「自分の書きたい小説の“ニーズがありそうな市場”を探す」ことです。

ネット小説と一口に言っても、小説を投稿できるサイトさんは沢山ありますし、自作サイトを検索サイトさんに登録するにしても、その検索サイトさんも沢山あります。
そして、小説投稿サイトや検索サイトごとに、その特徴や読者層は違っているのです。

ある小説投稿サイトを見て「ここで人気のある小説って、何だか自分の書く小説とは方向性が全然違うな」「ジャンルが偏ってるな。しかもそのジャンル、自分の不得意なやつだ」などと思ったなら、そこは避けて、自分と趣味・嗜好の似た読者が集まりそうなサイトを探していくことも一つの手段だと思います。

ただし、そもそもその趣味・嗜好がニッチでマイナーなジャンルの場合、そこにニーズを持っている読者人口自体が少ない可能性は否めません。
その場合はもう「この市場を自分が開拓するんだ!」くらいな勢いと熱意で、そのジャンルの魅力を様々な手段で事あるごとにアピールし、ターゲットを少しずつ広げていくしか道は無いのかも知れません。

以上は「自分の書きたいものを絶対に譲らない・妥協しない」場合の方法ですが、もっと現実的な方法としては「読者のニーズと自分の書きたいものとの間で妥協点を見つけていく」という方法が挙げられます。

そのためには、まず自分の中の「絶対に譲れないこだわり」と「そうでない部分」をハッキリさせていくことです。

小説を書くにあたり、自分が絶対に書きたい部分とは何なのか――ジャンルか、世界観か、キャラクターか、テーマ性か、ストーリーか……それを改めて見つめ直し、小説を書く上で絶対に譲れない“”の部分をハッキリさせたなら、それ以外の部分は柔軟に読者のニーズを受け入れられるようにしておくことです。

たとえば「このキャラクターが描きたい!」というのが核にあり、けれどその世界観やジャンルが現在あまり人気の無いものだった場合、そのキャラクターを活かして世界観・ジャンルを人気のあるものに移し変えられないか、考えてみるのです。
たとえば「このキャラの話、最初は近未来SFで考えてたけど、異世界ファンタジーに変えても何とかイケるかな?」といったように…。

ただし、これには少々頭の柔らかさが必要となってきます。
ジャンル・世界観・キャラクター・テーマ・ストーリーを、絶対不可分な一体のものとして考えていると「どこか一部でも変えるなんて無理!」となってしまいます。

あらかじめ小説の要素をバラバラの積み木のブロックのように考え、組み合わせを自由に変えられるように思考を柔軟にしておくと、読者のニーズに応える場合のみならず、設定やプロット段階で行き詰ってしまった場合など、様々な場面で何かと役に立ちます。

それと、ある意味最も有効な手段とも言える方法が一つ――それは「今、人気のあるジャンルを自分自身も好きになる」ことです。

第一印象で「何でこんなのが人気なんだ」「つまらないじゃないか」などと思ったとしても、そのまま毛嫌いしないで、そこに何か面白い要素は無いか、自分でもハマれる要素は無いかと先入観を取り払った目で見つめ直してみるのです。

自分の場合は幼稚園児並みに好奇心旺盛でギャグ漫画から万葉集まで全て美味しく頂ける節操無しなので、そもそも「このジャンル無理」というのが(ホラーや過度なバイオレンス以外はほとんど)無いのですが…ただ、とあるジャンルで面白くない小説を読んだ時には、そのジャンル自体がつまらないと思うのではなく「ここをこう料理すれば美味しく頂けるのにな」「自分だったらこう創るな」というのを考えます。

第一印象で苦手だと思った人間を、意外なきっかけで見直したり好きになったりすることがあるように、真っ直ぐに向き合ってみればつまらないと思っていたジャンルの中にも何か1つくらい、自分の好きになれる要素が見つかるかも知れません。

……とは言え今挙げた方法は全て、そもそも作者自身が読者のニーズというものをちゃんと把握できていてこそ有効な方法ではあるのですが……。

今の世の中はとにかくニーズの読みづらい時代であるように思えます。
流行ったかと思うとすぐに廃れたり、意外なものが急に人気を博したり……何がウケるか分からない時代と言えるのかも知れません。
なのでもしかすると、そんな時代の流れにより浮き沈みする上辺だけのニーズではなく、いつの時代にも人々が求めてやまない普遍的なニーズ、人間という生き物の根底にあるニーズを追い求めていくことこそが、真のニーズ追求と言えるのかも知れません。

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