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管理人がどうやってオンライン小説サイトを作っていったのか、その実体験によるノウハウや悪戦苦闘の日々をつづるWEB小説制作日記ブログです。 ちょっと変わった独自システム付きのネット小説サイトを運営しています。
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小説投稿サイトツギクル」さんには、他サイトに無い独自機能として「AI分析」というものがあるのですが…
 
(その小説が任意のジャンルに対してどの程度「適性」があるか診断してくれるサービスです。内部投稿(もしくは小説家になろう投稿)かつ一定以上の文字数が必要など、条件はありますが、無料で診断してくれます。分析すると、数値(適性値)は必ず作品情報にくっついてしまうようですが、分析レポートは(他のユーザーに)開示するかどうか選べます。)
 
「ファンタジー」「恋愛」と2つある分析機能のうち、「ファンタジー」の方を試してみましたので、そのAI分析について独自に「分析」してみます。
 
ツギクルさんのAIがどういうシステムで運用されているかは分かりませんので、以下はあくまで自作品の分析レポートを読んだ上での個人的見解(予想)です。
 
実際のシステムとは異なる可能性もありますので、予めご了承ください。
 
また、AIディープラーニングは、まだ進化の途中――“発展途上”の技術です。
 
AIの方が人間より優れている部分もあれば、AIには(まだ)できない部分もあります。
 
ですので、AIの出した分析を絶対視することなく、かと言って軽視するでもなく、「その分析がどのように出されているのか・“何を”分析しているのか」を考えた上で、使える部分は利用し、「ちょっと違うな…」という部分はスルーして、上手く役立ていくのがべストなやり方かと思っています。
 
今の時代、AI分析に限らず、「その数字が何によって出されているのか・何を表しているのか」を考えることもないまま、ただ「数字に踊らされている」人間が結構いらっしゃるように見受けられますので…。
 
(ちなみに、自分は分析レポートを開示していますので、合わせて見ていただけると、より分かりやすいかも知れません。)
 
<関連リンク:英雄群像ファンタジカ作品情報ページ(ツギクル)>
 
(分析レポートは「AI分析レポート」というボタンから見られます。←PC版ではタイトルの上、スマホ版だと小説概要の下お知らせの上あたりにあります。)
 
ゴリゴリのファンタジー用語でないと他ジャンルにカウントされる可能性あり?
実は実際に分析する前、自分は「この分析って、たぶんコレをこうして数値化するんだろうなー…」というのを予測していました。
 
それはズバリ「小説の本文の中から単語(名詞)をピックアップし、その単語がどのジャンルに属するのか(ファンタジーに属する単語なのかどうか)を蓄積したデータと比較検討し、そのパーセンテージでもって数値を弾き出すのだろう」ということだったのですが…
 
(ただ、小説の紹介文からの「重要キーワード」の抜き出し方を見ていて、ちょっと不安を覚えたりはしていましたが…。「『そこまで』で1つの単語として見ちゃうの!?」みたいな抜き出し方が多かったので…。)
 
実際に出て来た分析結果を見て…「(たぶん)だいたい合ってたけど、予想外の部分も結構あったな…」と思いました。
 
具体的に何が「予想外」だったかと言うと「ジャンルの判断力」です。
 
どうもファンタジージャンルにカウントされるのは「勇者」だとか「聖女」だとか「ファンタジー以外には絶対に使われない」と思しき単語ばかりで、それ以外はたとえファンタジーな単語であっても別ジャンルと判断される可能性が高いようです。
 
たとえば、自分の作品の場合「歴史・時代」に振り分けられた割合が高いのですが…
 
おそらくは「王国」「王女」「騎士団」等々のあたりの、「ファンタジーでも使われるけど、歴史物語でも使われそうな単語」が「歴史・時代」のジャンルに振り分けられたのではないかと…(あくまで予想ですが)
 
個人的には「設定が中世ヨーロッパ的でも、実際の歴史を元にしたものでない“架空の”国が舞台なら、それはファンタジー」という考えなのですが、さすがに「舞台が架空の国(世界)か、現実の歴史を下敷きにしたものか」の判断はAIではしてくれないようです。
 
つまりは、同じファンタジージャンルであっても、歴史用語を多用した本格的なハイファンタジーや戦記ファンタジーは、ファンタジーai値の低い、「歴史・時代」寄りな作品と判断される傾向にあるのではないかと…。

「ファンタジー以外のジャンル」には、他に「青春」「恋愛」「SF」等がありましたので、人間ドラマに重点を置いて「青春」「恋愛」等の割合が高くなった場合にも、やはりファンタジーai値は下がるのではないかと予測されます。
 
自分の作品の分析レポートで、一点ちょっとよく分からないのが、「SFジャンル」の割合の高さなのですが…
 
…SFの要素、全くと言って良いほど入っていないので…。
 
「ターニング・ポイント」や「原因」「理由」などの論述的な単語がSFとしてカウントされたのか、それとも文章の構造などを見られていて、ロジカルな構成がSF的と捉えられたのか…
 
あるいは、少しでも科学的な単語は、全てSFジャンルに振り分けられるのかも知れませんが…これは、もう少しデータを集めてみないことには分かりません。
 
地の文と台詞のバランスは「話し言葉」の出現率で見ている?
AI分析の結果には「地の文とセリフの割合」というものもありました。
 
自分の場合、「地の文1:9セリフ」と分析されたのですが…
 
(数字の見た目は「地の文9:1セリフ」となっているのですが、コメントが「セリフが多いかな」なことからして、「地の文1:9セリフ」という判断なのではないかと…。)
 
…残念ながら実際は真逆です(台詞は、ほとんどありません)。
 
台詞量を見るなら、単純に「 」の中の文字数をカウントすれば良いのではないかと思ってしまうのですが、どうやらそういう分析方法ではないようです。
 
…となると、おそらくは「話し言葉」の出現頻度でもって判断しているのではないか、という予測になるわけですが…
 
そうなると、ラノベによくある「超口語体な一人称」は、たとえ地の文であっても全て台詞としてカウントされることになってしまう気がします。
 
(実際、自分の作品も口語体の一人称です。)
 
なので、実際にはこの部分は「地の文とセリフの割合」というより「説明的文章と話し言葉の割合」として見ると良いのではないかと思われます。
 
AIの想定していないテクニックは考慮されない
AI分析では「文章の読みやすさ」を各部の文字数や、名詞・動詞等の出現率で判断しているようです。
 
分析レポートには、「一文の平均文長」「平均句読点間隔」「改行までの文字数」「名詞の出現率」「動詞の出現率」「接続詞の出現率」「受動態の出現率」等々がカウントされているのですが…
 
これを見て思ったのは、「読みやすさが単純に文字数でのカウントなら、文章のまとまりをカギカッコでくくったり、文章の並びを工夫して読みやすくしている等々のテクニックは考慮されないのだろうか?」ということでした。
 
「小説の読みやすさ」とは、単純に文字の量が多いか少ないかだけではありません。
 
起承転結やメリハリがあるか、過不足なく説明できているか等々も大事な「読みやすさ」です。
 
複数通りの読み方がある漢字にルビを振って読み間違えないようにしたり、ひらがなばかりがながくつづいてしまうとよみづらいので(←この部分わざと平仮名ばかりにしています)、適度に漢字を入れたり、カタカナに変えられるところは変えたりするのも、読みやすさの工夫です。
 
しかし、さすがにそこまでを分析する技術は現在のAIには無いのかも知れません。
 
そして、「名詞や動詞の出現率」などで読みやすさを判断されてしまうとしたら…たとえば「そら、あお、とり、きれい」など、抽象的で詩的な感じの特殊な文章だと、「読みにくい」という判断にされてしまうのだろうか…という疑問もあります。
 
まぁ、そもそもAIのディープラーニングとは「既にあるものを学習する」ことで獲得できる知能ですので、「滅多にない」「レア」で「特殊」なテクニックを想定することは難しいかと…。
 
何はともあれ、「小説の」読みやすさというより「文章の」読みやすさという観点で見るなら、それなりに使える分析レポートなのではないかと思われます。
 
(一文の長さや文字数間隔については、個々の好みもあるとは思いますが…。)
 
それと、ここでのポイントは、あくまで「読みやすさ」であって「分かりやすさ」とはどこにも書かれていない点ですね。
 
(「読みやすさ」ではなく「分かりやすさ」「理解のしやすさ」をAIに判定させるのは、まだ相当に難しいことだと思われますので…。)
 
総評はどうやって出しているのか…?
今回の分析レポートで、どうしても「どうやって出しているのか分からない」となった部分が一点あります。
 
それは作品総評下部の「楽しい仕掛け」がたっぷりあって「大満足」だったという部分です。
 
まず「大満足」は誰にでも(全員に)付けられる評価なのか、それとも作品によってコメントが変わってくるのか、比較対象がないことには分かりません。
 
それと「楽しい仕掛け」は、何でどうやって判断したのか…
 
分析依頼をした人のほとんどに付けられるリップサービス的なコメントなのか、叙述トリックやサプライズを判断する能力があるのか(だとしたらスゴ過ぎるのですが)…
 
それとも総評のコメントは全部が全部AIではなく、実は人間が付けている部分もあるのか…
 
そこの部分については、もっとデータを集めたり、他の分析レポートと比較してみないことには、ちょっとどうしても分析できません…。
 
(ちなみに自分の作品、「仕掛け」とまで言えるのかどうかは分かりませんが、第4章(第4話)にあたる部分が主人公(語り手)の性別をハッキリさせていませんので、男女どちらで考えても読めるという構造にはなっています。あと、章(話)ごとに視点が切り替わっていますので、合わせて読み進めていくと、前の章(話)では分からなかったキャラの心情が分かるようになる、といった工夫はあります。)
 
何はともあれ「どうやって分析しているんだろう」と考えながら分析レポートを読むのは、それなりに楽しかったので、いずれは「恋愛」の方でもやってみたいなと思っています。
 
(ただし、そのためには新しく恋愛小説を書かなければいけないのですが…。←相変わらず他サイトと重複投稿しようという気がない。)

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小説投稿サイトにもいろいろあり、それぞれシステムが違っています
 
小説投稿機能などには、それほど大きな違いは無いかも知れませんが、評価システムポイントの仕組みについては、投稿サイトによってかなりの違いがあるかと思います。
 
評価(ポイント)の仕組みについては、ヘルプ(ガイド)に載っている投稿サイトさんもありますが、明らかにしていない投稿サイトさんの方が多いでしょう。
 
そんな時、注目すべきものがあります。
 
それは、各小説投稿サイトさんの「エッセイ・ノンフィクション」ジャンルです。
 
この「ジャンル」の名前も、サイトさんによって異なってくるでしょうが…
 
(「エッセイ」や「ノンフィクション」のジャンル自体が無く、単純に「その他」とひとまとめになっているサイトさんもあります。)
 
このジャンルには、各小説投稿サイトさんのシステム・制度について考察分析を投稿している方が、時々いらっしゃるのです。
 
(もちろん、全ての投稿サイトさんにこの種の考察・分析が載っているわけではありません。たまに、その小説投稿サイトではなく別の投稿サイトについての考察・分析を書いている方もいらっしゃいますし…。)
 
もちろん、考察・分析はあくまで「考察」で「分析」ですので、そのサイトのシステムをズバリ言い当られているかどうかは分かりません。
 
(検証してみようにも、検証するのが難しいものも多々ありますし…。)
 
しかし「合っているかどうかは分からないけど…」と「参考までに」見る分には、とても有益なのではないかと思います。
 
(自分でも検証できそうなものであれば、その情報を「参考に」して、検証してみるのもアリかと…。)
 
ただし注意すべき点が、いくつかあります。
 
ひとつは情報の鮮度
 
評価法や仕組みを明示していないシステムについては、投稿サイトさんがいつの間にかそのシステムを変更していたとしても、なかなか気づくことができません
 
実際、評価方法やポイントの付き方が「変わった」という話は(ネットの中で)目にしますので「もしかしたら、今はシステムが変わっているかも知れない」という視点を持っておくことは必要かと思います。
 
もうひとつは、考察者・分析者も気づかなかった「死角」が存在する可能性です。
 
いくつかの分析・考察を読み比べていくと気づくのですが「Aさんの指摘している部分に、Bさんは触れていない」ということがあります。
 
目のつけ所は人それぞれですし、人によって「検証できること・できないこと」があるでしょうから、ある情報に気づく人もいれば、気づかない人もいるでしょう。
 
(具体的には、とある小説投稿サイトさんで「ジャンルによってポイントの付き方に差がある」ということに、触れている方もいましたが、(おそらくは)気づいていない(検証できていない)方もいた…といった感じです。)
 
ですので、考察や分析を読んだからと言って、そこに書いてあることが全てと思い込まず、「他にも何かあるんじゃないか」という可能性を、常に頭の片隅に入れておくことです。
 
最後に、この種の考察・分析を読んでいく上でのプラスアルファのポイントがひとつ…。
 
それは「タイトルに引きずられずに、気になったものはとりあえず読んでみる」という姿勢です。
 
小説資料の探し方自分の好きな小説を見つけるポイントとも共通することなのですが…
 
探したい情報が、タイトルに含まれているとは限らない」ことを、常に頭に入れておいた方が良いということです。
 
まれに、全く関係のなさそうなタイトルの本・作品に、知りたかった情報が「おまけの雑学」的な感じで載っていることがあります。
 
たとえば投稿サイトの「インセンティブ制度について」書かれた考察・分析でも、インセンティブ制度について「だけ」ではなく、その他の「ポイント制度」について触れられているものもあります。
 
「自分の知りたいこととは関係無さそうだから、読まなくていいや」とスルーしてしまうのは勿体無いので、流し読みでも良いのでざっと目を通してみることをオススメします。
 
(時間が無い方なら、とりあえず「もくじ」だけ目を通してみるのもアリです。)
 
ちなみに、自分はこういった分析・考察を「はてなブックマーク」でとりあえずブクマして収集していたりします。
 
(「ノンフィクション」や「その他」ジャンルは作品数が他に比べて少ないとは言え、「ブクマ」や「しおり」や「お気に入り」などで「後で探せるように」しておかないと、他の作品に埋もれて見つからなくなってしまったりしますので…。)
 
<関連記事(外部サイト)→小説投稿サイトの分析(はてなブックマーク)>
 

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ブログ」は、「ホームページ」よりも簡単に作成でき、WEBデザインの知識も少なくて済む「お手軽」なWebサービスです。
 
カスタマイズなどのこだわりが無ければ、タイトルと記事さえあれば始めることができます。
 
(もちろん、ブログサービス登録の手間などはかかりますが…。)
 
ただし、ブログにはホームページとは違うブログならではの「特徴」があり、特に「小説ブログ」を作りたいのであれば注意が必要です。
 
今回はそんな「小説ブログを作る上でのポイントや注意点」をまとめていきたいと思います。
 
小説ブログに最も向いているのは短編やSS
ブログは記事を投稿するのは簡単ですが、閲覧者にとっては「過去記事を探しづらい」というデメリットがあります。
 
また、通常は「新しいものほど上に表示される」ので、複数章からなる長編小説などを投稿するには工夫が必要となります。
 
そういった理由から、特に「設定を変えたりカスタマイズするのが苦手」という方には「一話完結」の「短編」や「SS」がオススメです。
 
「一話完結」であれば、どこから読んでもらってもOKですし、記事の順番も関係ありませんので。
 
(実際自分も、ブログには主に一話完結の短編やSSを載せています。→関連ブログ:言ノ葉スクラップ・ブッキング
 
 
長編の場合は順番や「もくじ」の工夫が必要
上にも書いた理由から、複数章(複数話)からなる「長編小説」をブログに載せたいのであれば、いくつかの工夫が必要です。
 
まず、記事の順番を変えられるのであれば、ブログの設定で「古い記事から順に表示されるように」変更すること。
 
また「もくじ」ページを作り、目的のページに一発で跳べるようにしておくことです。
 
そしてその「もくじ」ページは、常にブログの一番上に表示されるように「固定」しておくことです。
 
ブログサービスによっては、あらかじめ「固定記事の設定」ができるものもあります。
 
(ココログさんや、今はもうないヤプログさんなどはありました。)
 
固定記事の設定ができないブログなら、記事の順番が「古い順」になっているなら、記事の投稿日時を「ブログ内で(実際に)1番古い記事よりも、(1日でも1時間でも良いので)古い日付に変更しておく」こと。
 
「新しい順」に表示されるなら、「投稿日時で設定できる1番新しい(未来の)日付に変更しておく」ことです。
 
(投稿日時は「実際に投稿した日時」とは違う日時に設定することができるのです。)
 
ブログの記事順は基本的に日付順ですので、それで任意のページを「1番上」に載せられるはずです。
 
あるいは、各記事の最初の行に必ず「もくじページへのリンク」を付けておくのも1つの手段です。
 
(自分の場合はnoteさんでそれをやっています。→関連記事(note):せっかく「ネット小説」なのにネットの特性を活かさないなんて、勿体ない(←記事上部に「もくじ」が付いています)
 
 


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コメディー小説の書き方の自分なりの「まとめ」第3弾です。
 
前回も書いていますが、この「まとめ」はあくまでも私見ですので、人によっては合わない・役立たないこともあるかと思います。
 
その辺りをご了承の上、参考程度にお読みください。
 
<前回の記事はコチラ→コメディー小説の書き方1コメディー小説の書き方2
全力で突っ走るか、シニカルな笑いを選ぶか
「笑い」にもいろいろ種類があり、ハイテンションギャグもあれば、一歩引いた冷めた笑いを追求するシニカルコメディーもあります。
 
そして、どういう笑いを選ぶかにより、作者の選ぶべき態度も変わってきます。
 
個人的に、ハイテンションなギャグで大切なのは「読者を冷めさせない」ことだと思っています。
 
コメディー小説の書き方1」でも書きましたが、「笑い」とは、とてもデリケートなものです。
 
作品に没頭している間なら笑えるものでも、一旦冷めて、一歩引いた目で見てしまったら、もう笑えない――そういうこともあります。
 
なので、大事なのは「勢い」で読者を巻き込み、そのまま離さない(冷めさせない、引かせない)ことです。
 
そのためには、作者に「迷い」があってはいけません。
 
特にアマチュアにありがちなことかと思いますが……
「これで本当に笑ってもらえるだろうか」と迷ってしまって「思いきれない」「ギャグがぬるくなってしまう」「作者自身が一歩引いてしまう」……そんなことがあるかと思います。
 
しかし、そういった「迷い」や「逃げ」、あるいは「照れ」は、読者にも伝わってしまう可能性があります。
 
そうなれば作品の「ストーリー」や「ギャグ」よりも、そういうメタな部分にばかり気を取られ、作品を純粋に楽しんでもらえなくなる可能性があります。
 
なので、そこはもう割り切って「自分にとってはこれが面白いんだ!」とノリノリで書くことです。
 
多少「ぬるい」ギャグでも、「勢い」があればその勢いで何となく読めてしまうこともあります。
 
その「勢い」をわざわざ自分で削いでしまうのはもったいないことです。
 
……ただ、そういう風に「ノリノリ」なテンションで書いたものを「後で読み返すと死ぬほど恥ずかしい」「死にたくなるほど落ち込んでしまう」という方には、この方法を無理にオススメはしません。
 
そういう方は最初から一歩引いた「シニカルな笑い」、テンションが低めでも成立する笑いを目指してみてはいかがでしょうか。
 
ただ、この場合にもやはり「迷い」で作品の魅力を削いでしまっては意味がありません。
 
「コメディー小説の書き方1」でも書いた通り、笑いのツボは千差万別ですので、どんな笑いを追求するのであれ、自分が「最高に面白い」と思ったネタを「つまらない」と言う人は必ずいることでしょう。
 
しかし「それはそれ」と割り切るしかありません。
 
まず大切なのは「その作品の最初の読者である“自分自身”を全力で笑わせにいくこと」だと思います。
 
手をゆるめず、妥協せず、とにかく「自分がおもしろく思える」ものを全力で書いていくことです。
 
そうすれば、自分と笑いのツボを同じくする人間には笑ってもらえるはずです。
 
「笑えない」笑いを生み出さない
上の項目で「迷わない」ことが大事と書きましたが、それは「思いついたものなら何でも書いて良い」ということではありません。
 
コメディーを書く上でひとつ、とても大切で、絶対に気にかけなくてはいけないことがあります。
 
それは「誰かを傷つける笑いにしない」ということです。
 
「“笑い”と“けなし”は紙一重」という言葉があります。
 
「笑い」の中には、わざと他人をディスったり(けなしたり)、他人の失敗や欠点を面白おかしく誇張(デフォルメ)するものもあります。
 
しかし、それが笑いとして成立するためには、「相手を傷つけたり馬鹿にするために言っているのではない」と分かってもらえるだけの信頼感や関係性が必要となってきます。
 
そしてそれは、そんな「ある程度親密な関係を築いた人間同士」でさえ、時と場合により相手を傷つける「言葉の凶器」となり得る危ういものです。
 
まして不特定多数の、どんな性格の人間がいるのかも分からない「読者」相手では、あまりにも危険な賭けでしょう。
 
当然のことながら「心を傷けられた」読者は、その「笑い」で笑ってはくれません。
 
それどころか、もうその作品・その作者自体を見るのも嫌になってしまうかも知れません。
 
そんな読者を作ってはいけませんし、昨今の炎上事案を考えても、そんなリスクは避けた方が良いでしょう。
 
大切なのは読者に「自分を攻撃している」「自分を馬鹿にしている」「自分を嘲笑している」と取られるような表現をしないことです。
 
(昨今の炎上事案を見ていると、それ自体が既に結構「難しい」ことという気もしてしまいますが…。)
 
……とは言え厄介なのは、人というのは時に「無意識に」「気づかないうちに」他人を傷つけてしまうことがある、ということです。
 
人間は一人一人違う生き物ですから、自分にとっては何でもないことが、他人にとっては「心を傷つける何か」となる場合があります。
 
それを避けるためには、普段から「自分とは違う他人」の精神性や心に関心を持ち、何が人を傷つけるのか、どんなものが地雷となり得るのかを考えていくことです。
 
(……一朝一夕にできることではありませんし、これが完璧にマスターできるとしたら、それはもはや神仏の領域なのかも知れませんが……。)
 


<関連記事(外部サイト(note))→コメディ向けの文章の書き方を

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コメディー小説書き方の自分なりの「まとめ」第2弾です。
 
前回も書いていますが、この「まとめ」はあくまでも私見ですので、人によっては合わない・役立たないこともあるかと思います。
 
その辺りをご了承の上、参考程度にお読みください。
 
<前回の記事はコチラ→コメディー小説の書き方1
「笑い」とその他の要素のバランス
「コメディー小説」と一口に言っても、実際は様々バラエティーに富んでいます。
 
ガッツリとギャグを中心に据えたものから、「笑い」は添え物かスパイスのような扱いで「ストーリー重視」なもの…
 
恋愛要素を交えた「ラブコメ」、腹を抱えて大笑いするような「笑い」ではなく、まったり・にんまり笑わせる感じの「ほのぼの系」…
 
どんな種類の「コメディー」を目指すかにより、求めるべき笑いの「質」も変わってきます。
 
ギャグを中心とし、「笑い」が「主」なものであれば、当然その「笑い」にも相当なクオリティーが求められます。
 
一方、「笑い」よりもその他の要素…たとえばラブコメで言えば「ラブ(恋愛要素)」に重きを置いたものであれば、「笑い」は「そこそこ」のクオリティーであっても許される場合があります。
 
(ただしその場合、代わりにその「ラブ(恋愛要素)」が面白くなければダメなわけですが…。)
 
逆に言えば、「笑い(コメディー要素)」にそれほど自信が無いのであれば、その他の要素(恋愛要素や面白いストーリー)を入れて、全体に占める「笑い」の重要度を下げていけば良いのです。
 
ただし、他の要素を組み合わせるということは、そう簡単なことではありません。
 
1つの小説の中に複数の要素を組み合わせる場合、その要素同士の「バランス」が重要になってきます。
 
たとえば、物語が盛り上がる重要な山場に寒いギャグが挿入されて読者の感情の高ぶりを台無しにしてしまうetc…
 
要素同士が「邪魔」をして「水を差す」結果にならないよう、それぞれのバランスに気を配っていく必要が生じます。
 
(ただし、そのバランスの取り方にも個々の「好み」がありますので、作者と読者と趣味が合わなかったりしていろいろ難しいところはあると思います…。)
 
「あるある」ネタは鉄板だが、通じない人には通じない
「笑い」にも様々な種類があるわけですが、「あるある」ネタはその中でも比較的難易度が低く、使いやすいネタかと思います。
 
蛇足ながら、あるあるネタとは、多くの人に「共通」する経験をピックアップし、時に誇張し・ふくらませ「あぁ、こんなこと、あるある~」と共感してもらい、笑いを引き出す手法なわけですが…
 
多くの人に通じやすく、万能感の強いネタではありますが、一点注意しなければいけないことがあります。
 
それは、その「あるある」ネタが「どの程度」の人たちに通じるネタか、ちゃんと見極めなければいけない、ということです。
 
たとえば、特定の学校の特定の先生のクセをネタにした「あるある」ネタは、その学校の、その先生の授業を受けた人間には通じるでしょうが、他校の人間には一切通じません。
 
それは極端な例としても、「ところ変われば常識が変わる」と言うように、自分が「万人に通じる『あるある』」だと思っていることが、実は一部の人間の間でしか通じないネタだった、ということはよくあります。
 
(特に地域ネタなど。その地域を出るまでは全国的な常識だと思っていたものが、実は一部の地域でしか通じないものだったり…。)
 
これを見極めるためには、普段から自分の精神的視野が狭くなっていないか気をつけ、自分の興味のあること以外に対しても好奇心のアンテナを張り、自分とは「住む世界が違う人々」のことにも目を向けていかなければなりません。
 
とは言え、一人の人間が知ることのできる知識・常識には限界がありますし、たとえ知ることができたとしても、この世界の「全ての人間」に通用する「あるある」ネタを見出すことは至難の業かと思います。
 
なので、理想としては「自分の小説のターゲットとなる層に通じる『あるある』ネタ」を見出すことです。
 
予め「どんな読者層にこの小説を読んでもらいたいか」を想定し、その人々に通じそうな「あるある」ネタを考えるのです。
 
この「ターゲットを絞る」という手法は、あるあるネタのみならず、小説の「方向性」を決める上でとても役立つ手法です。
 
(男性向けか、女性向けか、どんな要素を中心に持って来るのかetc…)
 
実際マーケティングなどでも使われている手法なのですが、その辺りの話は本題とズレていってしまう気がするので、機会があったらまた別にまとめていきたいと思います(気になる方は「ペルソナ」(←マーケティング用語)で調べてみてください)。
 


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管理人プロフィール
HN(ハンドル・ネーム):
津籠睦月(つごもりむつき)
職業:
社会人(毎日PCを使う仕事。残業も休日出勤も普通にあります。)
趣味:
小説・HP制作、読書、猫と遊ぶこと。
好きな小説ジャンル:
ファンタジー、冒険、恋愛、青春、推理、濃い人間ドラマの展開するモノ。
備考:
漢検2級(準1以上は未受験)。国語の最高偏差値80(高2時点)。

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HPにも小説内にも気づけばあちこちに猫が…。
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